住友金属鉱山と住友商事は9日までに、オーストラリア・ニューサウスウェールズ(NSW)州のノースパークス鉱山を約2億豪ドル(約155億8,240万円)で拡張開発すると発表した。中国の洛陽欒川モリブデン業(チャイナ・モリブデン)が80%の権益を持つ同鉱山を拡張することで、これまで2025年までとされてきた同鉱山の銅生産年数が2032年ごろまで延長され、当初の計画よりも24万トンの上乗せが可能になるという。【NNA豪州編集部】
住友金属鉱山と住商はノースパークス鉱山の権益を、子会社を通じてそれぞれ13.3%と6.7%保有。2社は堅調な需要が見込まれる銅について、坑内作業の自動化などにより低コストで操業できるノースパークス銅山を拡張することで安定供給を図る。
拡張工事は1月から始め、具体的には約11キロメートルの坑内坑道掘進や、坑内一次破砕機や坑内コンベヤー設備の設置を行う。完工は22年を予定しており、これにより銅の生産量が総量で142万トンから166万トンに拡大する見込みだ。
ノースパークス鉱山は1994年に生産を開始し、2017年12月までに銅と金を累計でそれぞれ、約110万トンと約4万トン生産した。同鉱山は1年間で約4万トンの銅を生産している。
住友金属鉱山の広報によれば、拡張工事により、同鉱山から生産される金の生産量も増加するという。
世界的に鉱山開発が従来よりへき地で行われるようになっているだけでなく、鉱石の低品位化が進行する中、コスト面で有利な新規の銅山開発が困難だという。
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