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19年も景気・通貨安定=三井住友銀セミナー

三井住友銀行バンコック支店は13日、タイの首都バンコクで2019年のタイ経済の展望や経済政策の変遷について解説するセミナーを開催した。在タイ日系企業関係者ら115人が参加した。

三井住友銀行バンコック支店が開催したセミナーでは、115人の参加者が講演に耳を傾けた=13日、バンコク(NNA撮影)

三井住友銀行バンコック支店が開催したセミナーでは、115人の参加者が講演に耳を傾けた=13日、バンコク(NNA撮影)

タイ経済の展望について三井住友銀行アジア・大洋州トレジャリー部の山口曜一郎チーフエコノミストが講演。18年のタイ経済は「非常に良かった」とした上で、「国内総生産(GDP)成長率が3%台であれば良いとされる中、18年は4.2%程度で着地すると予想している。為替レートもバーツは安定していた」と総括した。高成長した要因の一つに家計消費の改善を挙げた。18年は新車市場が回復した一方、11~12年に実施した初めて新車を購入する人への減税策「ファーストカー減税」で大きく増えた家計債務の借入は、ペースダウンしていると指摘した。

19年の見通しは「好調な経済や通貨の安定は、基本的に続くと思っている」と述べた。懸念材料として米中貿易摩擦の影響や半導体などエレクトロニクスのピークアウトによる輸出の下降のほか、経常収支を支える観光収入の観点から18年7月以降減少している中国人旅行者の動向を挙げた。

為替相場の見通しについては、19年第1四半期(1~3月)は1米ドル=32.40バーツと予測。19年第2四半期から20年第1四半期にかけての各四半期は32.30バーツ、32.00バーツ、31.80バーツ、31.70バーツとバーツ高に振れていくとの見方を示した。

また早ければ12月19日のタイ中央銀行(BOT)の金融政策委員会(MPC)で、政策金利(翌日物レポ金利)が0.25%引き上げられると予測。金融緩和の継続が金融システムの脆弱(ぜいじゃく)性を高める可能性があり、そのリスクを取り除くための引き上げとみられ、インドネシアやフィリピンが通貨の下落を防ぐために実行している利上げとは意味合いが異なると説明した。

■EECは長期的な視野で注視

タイの経済政策に関しては、日本貿易振興機構(ジェトロ)知的財産・イノベーション部イノベーション促進課の長谷場純一郎・課長代理が解説した。長谷場氏はジェトロ・バンコク事務所で海外投資アドバイザーを務めた経験を踏まえて、歴史的な経済政策の変遷を説明。

タイでは1970年代に対日貿易が貿易赤字の8割を占めたことなどから反日運動が起き、外国企業にタイ資本が過半数を出資することなどを定めた外国企業規制法が制定され、外資の規制が始まったと解説。その後83年に合弁の基準が緩和され、製造業で製品の全量を輸出する場合は外資100%の出資が可能になった。そして97年のアジア通貨危機後にはタイ投資委員会(BOI)が奨励する事業分野で、タイ資本の株主の同意があれば、外資の100%出資が認められるように変更されたと説明した。

またBOIの投資恩典については、地方への投資を優遇する「ゾーン制」を採用していたが、プラユット政権下で政府が事業の優先度に応じてランク分けして恩典を付与する制度へ変わったことに言及。その上で政府は産業高度化政策「タイランド4.0」を実現するため、2017年1月に新投資奨励法を施行し法人税の免除期間を従来の最大8年から13年に拡大した。長谷場氏は「タイの市場は時間をかけて外資に開放されてきた経緯がある」と述べた。

東部3県(チャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーン)の経済特区(SEZ)「東部経済回廊(EEC)」の開発についても、1980年代に始まったマプタプット港(ラヨーン県)などを整備するイースタンシーボード計画(東部臨海開発計画)が当初想定していた以上に成功したように、「壮大な計画だが長期的な視点で注視する必要がある」とした。

また12日にチョンブリ県シラチャーでもセミナーが開催された。三井住友銀行バンコック支店チョンブリ出張所の開設5周年を記念して開催し、46人が出席した。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: 金融マクロ・統計・その他経済

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