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【18年の10大ニュース】経済右肩下がりに

2018年の香港経済は、前後半で明暗がはっきりと分かれた。経済成長率は年初に約7年ぶりの高水準を記録したものの、米中貿易摩擦をはじめとする複数の悪材料が浮上すると、強めのブレーキがかかった。経済の推力は依然保っているが、浮揚要因に乏しいのが現実だ。
消費、観光、貿易は不安要素がくすぶり、住宅市場は10年続いた上昇基調が終わりを迎えたとの見方も出てきた。経済の起爆剤と期待された「粤港澳大湾区」(広東省と香港、マカオの経済協力を強化する構想)には大きな動きが見られず、香港と中国本土を結ぶ高速鉄道「広深港高鉄」、海上橋「港珠澳大橋」は9月以降に開通したものの、目立った経済効果はまだ表れていない。政治面はおおむね安定したが、民主派と親中派の対立構造には変化がない。
とはいえ、今年は新たな成長エンジンの育成に向けた動きが活発化した1年だったとも言える。政府が掲げる“イノベーション・テクノロジーの強化”を今後の光明とできるか。