• 印刷する

【アジアで会う】金剛逸さん 韓国富士ゼロックス・SWIサービス事業部 第229回 日系企業で12年培ったノウハウ(韓国)

きむ・がんいる 1979年生まれ 韓国・ソウル出身。漢城大学で産業工学を学び、在学中にHTMLなど学校のホームページ作りに携わる。卒業後は地場大手電機メーカーに就職し、マニュアルの19カ国翻訳の管理などを手掛ける。紙のマニュアルのデジタル化に興味を持ち、2007年に韓国富士ゼロックスに転職。DOCS業務担当やシンガポールでの研修プログラムなどに参加し、17年からSWIサービス事業のプロジェクト2チーム長としてチームをけん引する。

韓国はサムスン電子やLG電子、現代・起亜自動車など地場メーカーが多くの分野でシェアを独占している。しかし、そんな中、日系メーカーが強い市場もある。その1つが複合機・プリンター市場だ。金剛逸チーム長は、その市場をけん引する富士ゼロックスの韓国法人、韓国富士ゼロックス・SWIサービス事業部のプロジェクト2チーム長を務める。「日本企業は、手順やプロセスをとても重要視するイメージが強い。韓国企業は業務の領域があいまいな部分がある一方、韓国富士ゼロックスはそれぞれの役割がはっきりしている印象を受けた」と、金さんは話す。

金チーム長が韓国富士ゼロックスに入社したのは12年前の2007年。それ以前は、韓国の大手メーカーのパソコン(PC)事業部で、マニュアルの作成や管理を担当していた。「テレビでドキュメントのCMを富士ゼロックスが流していた。私が知る富士ゼロックスは複合機やプリンターの会社だったので、とても興味深く見たのを覚えている」と金チーム長。ちょうど、韓国富士ゼロックスが効率の良い文書管理システムを開発して売り出していこうという時期で、外部から担当社員を採用しようとしていた。「当時の韓国富士ゼロックスは、ドキュメントカンパニーという点を前面に押し出していた。前の職場の知識をもっと生かせると思ったことや、外資系企業でのキャリアに興味があった」と、金チーム長は転職を決意した背景をこう説明した。

■海外研修が自信につながる

そんな金チーム長は、韓国富士ゼロックスで12年間勤めながら思い出に残るエピソードも話してくれた。全国の顧客会社を回る仕事が増えた2012年ごろのことだ。「全羅南道麗水市の生ごみ処理施設のコンサルティングを行ったことがある。その施設の匂いが今までに嗅いだことのないもで、口を開くも難しいほどだった。そのような環境でも、富士ゼロックスの製品が使用されることに驚いた」という。という。

「そのように全国の顧客会社を回っていて大変じゃないか」と尋ねると、「全国各地の有名料理を食べられる機会もあるので、それが楽しみだった」と笑いながら話してくれた。

また、14年から2年間、富士ゼロックスの海外研修プログラムとしてシンガポールで職務研修に参加。現地では、「SA(ソリューション・アーキテクト)」として働き、世界のビジネスパーソンとの協業を通じて自信を得ることができたという。しかし、その一方で、韓国よりも気温が高いシンガポールでの生活に苦しむ場面もあったとか。外は暑く、屋内はエアコンをガンガンつけているため、温度差で体調を崩したことも多かったそうだ。

その後、16年に韓国に戻り、MPS(Managed Print Services)のセールス担当として韓国富士ゼロックスに復帰。金チーム長は、「シンガポールでの研修期間は大変だったが、最もやりがいのある時期でもあった」と話す。復帰後に大きなプロジェクトを成功させ、17年からチーム長として会社を引っ張っている。

■コミュニケーションが何よりも大事

12年間、日系企業で働いて培ったノウハウは何か。金チーム長は、「顧客がどのような悩みを抱えているかを把握するために重要なのが、インタビュー技術」と話す。どのようにしたら効率の良い文書管理を行えるか、その企業のどの部分に改善すべき点があるのか、そういったことを把握するための事前準備が最も重要で、顧客から話を聞くためのスキル向上は欠かせない。「韓国富士ゼロックスのBA(ビジネスアナリスト)分野は、そのようなインタビュー技術の教育がうまく整っている。そして、顧客が『実のあるコンサルティングだった』と思えるようなインタビューにすることが、私たちの強み」と強調した。

チームワークも大事だ。「相手の話を最後まで聞いてから、自分の意見を言うようにすることを心がけている」と金チーム長は言う。「話を途中で切られると、話し手は自分の意見をきちんと聞いてもらえていない、否定されていると感じてしまう。そうするとコミュニケーションもうまく取れず、結果的にチームワークに影響が出てしまう」。長年の経験から、どのような状況であれ、まずは相手の話を最後まで聞くのが習慣になったそうだ。

プリンター市場は、文書のデジタル化とペーパーレス化の進行によって大きな変革期を迎えている。金チーム長は今後の目標について、「社会が急変する状況でも、富士ゼロックスのコミュニケーション環境の高度化というミッション達成に向けて、ビジネスモデルの創出に貢献していきたい」と意気込む。(韓国版編集部・清水岳志)


関連国・地域: 韓国
関連業種: マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

スマート工場を3万カ所構築 政府主導、中小企業が対象(12/14)

カカオ、相乗りサービス開始を無期延期(12/15)

11月の新規車両登録は5%減 乗用車と商用車が2桁のマイナス(12/14)

現代自、世代交代を加速 鄭副会長体制に移行へ(12/14)

11月の輸入物価指数、6.0%上昇(12/14)

米中貿易戦争、「日台半導体メーカーに商機」(12/14)

上場企業1~9月期売上高、46%が減少(12/14)

韓国主要企業の売上高、12年ピークに停滞(12/14)

韓国ジオモーターズ、電動バイク生産へ(12/14)

R&D投資額で世界1位、サムスン電子(12/14)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン