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中国系ジェメナ、シドニーで大規模水素発電

中国大手送電会社の国家電網公司の傘下であるインフラ企業ジェメナ(Jemena)がオーストラリアのシドニーで、国内最大規模となる水素発電・利用の試験プロジェクトを実施することが分かった。試験に成功した場合、シドニーの一般家庭や企業では向こう5年以内に、水素を使ったエネルギーが活用される可能性があるという。22日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。

ジェメナの試験プロジェクト「H2GO」では、ウエスタンシドニー大学の敷地内に電解槽を設置し、約250世帯に電力を供給できるだけの水素を発生させる。プロジェクトの実施コストは1,500万豪ドル(約12億円)で、このうち半分は連邦政府の再生可能エネルギー庁(ARENA)が提供する見通しだ。

生成された水素ガスは、電気自動車(EV)の充電施設などで使用されるほか、天然ガスとともにジェメナがニューサウスウェールズ州内に保有するガス供給網に投入される見込み。先週に就任したばかりのジェメナのフランク・チューダー最高経営責任者(CEO)によれば、ゆくゆくは天然ガス供給網のうち最大10%が水素ガスに置き換わる可能性があるという。この場合、米EVメーカーのテスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」800万個分に相当する容量のエネルギーを蓄えることができ、東部州におけるガス供給不足の問題を軽減できると期待が寄せられている。

■海外輸出にも期待

連邦政府のテイラー・エネルギー相はジェメナの試験プロジェクトについて、「炭素を排出しないエネルギー貯蔵の方法として、既存のガス供給網を活用できる可能性を示すもの」と指摘。「これほどの規模で水素の生産や貯蔵、輸出施設を開発することは、オーストラリア国内の企業や社会に経済的恩恵を与えるだけでなく、海外の取引相手国に対しても、価格の安い、排出量の少ないエネルギーを供給できるようになる」と期待感を示した。

連邦政府のアラン・フィンケル主席科学官は8月に、再生可能エネルギーの活用について、「水素エコノミー(環境に優しい水素を基盤とした経済)については1970年代初頭から議論が続けられている一方で、太陽光発電のコストも大幅に縮小した。オーストラリアの再生可能エネルギー業界にとって、日本のような主要な貿易相手国に再生可能エネルギーを供給することは、新たな希望となっている」との見方を示していた。


関連国・地域: 中国オーストラリア日本
関連業種: 電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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