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アベノミクス講演、東南アから投資呼び込み

安倍晋三政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」の実情と今後について説明するセミナーが17日、内閣府の西村康稔副大臣を招いてシンガポールで開かれた。同副大臣は第1、第2の矢による効果がじわりと実体経済を動かし始めていると説明した上で、第3の矢である「成長戦略」を進めて東南アジアからの投資を日本に呼び込む姿勢を示した。

同セミナーは、在シンガポール日本大使館と日本貿易振興機構(ジェトロ)シンガポール事務所の共同主催で中心部タンジョンパガーのアマラホテルで開催された。セミナーの冒頭で西村副大臣は会場に集まったシンガポールをはじめとする各国の投資家や財界人ら約350人を前に、新たな成長戦略について講演。「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」という第1、第2の矢が国内総生産(GDP)成長率をV字回復させたほか、消費、雇用、鉱工業生産などの経済指標も改善していると説明。第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」についても、環太平洋連携協定(TPP)など経済連携の推進や国の主導による規制緩和、税制優遇に取り組む「国家戦略特区」の創設、法人税の改定、投資優遇策、ビザの緩和などにより「シンガポールをはじめとする東南アジア各国からの投資の呼び込みを目指す」と話した。

続いてみずほ銀行の山田大介執行役員が民間サイドからアベノミクスの見方について講演した。日本国内向けの投資を3年以内に再び70兆円水準まで回復させるためには規制の緩和と投資環境の整備が重要と強調。さらに新市場の構築や、老朽化したインフラの整備におけるPPP(官民連携)、PFI(民間資金活用による社会資本整備)の積極的な導入など、民間企業の活性化が必要だと話し、シンガポール企業の積極的な参加を呼び掛けた。

■会場から円安批判も

講演後のパネルディスカッションでは、パネリストであるセンチネル・アジアのマヌ・バスカラン最高経営責任者(CEO)が「日本の変化は本物で、今年・来年までの経済成長は見込める」と述べた上で、それ以降の経済成長については「『第3の矢』の効果が成否を決める」と指摘し、その動向に注目が集まっていると語った。これに対し山田執行役員は「メーカーや重工業、鉄鋼で数値の改善が見られており、下期には中小企業や地方企業にも波及効果が期待できる」と話した。

質疑応答では会場から投資環境の整備に対する具体的な内容について質問が出た半面で「アベノミクスが円安誘導している」との批判も出た。これに対して西村副大臣は、為替相場については市場が決定するものと述べた上で、「アベノミクスの金融、財政政策に対して市場が反応した結果」と反論。パネルディスカッションの進行役を務めたシンガポール国際問題研究所(SIIA)のサイモン・テイ所長も「先ごろ開かれた20か国・地域首脳会合(G20首脳会合)でもこの点は各国が為替操作ではないとの認識を共有している」と同副大臣を支持した。

西村副大臣によるアベノミクスに関するセミナーは6月にニューヨーク、今月11日に香港でもそれぞれ開催された。


関連国・地域: シンガポール日本
関連業種: サービスマクロ・統計・その他経済政治

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