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【アジアで会う】内田(山崎)昂輔さん サッカー選手 第209回 サッカーとともに世界を巡る(ミャンマー)

うちだ・やまざき・こうすけ 1987年10月生まれ 、京都府出身。滝川第二高校、立命館大学を卒業後、2010年に大分トリニータに加入。FC琉球を経てモンテネグロ、オーストリアでプレーした後、家族の介護で急遽帰国。16年から日本人として初めてバーレーンのクラブに移籍。ラオス、インドネシアのチームに所属後、18年1月からヤンゴン・ユナイテッドに所属。妻、娘とヤンゴンで暮らす。

サッカーのミャンマー・ナショナル・リーグ(MNL)、トップチームの「ヤンゴン・ユナイテッド」に加わって半年余。チーム内では「コースケ」の呼び名が定着している。今期のリーグ初ゴールを決める幸先よいスタートを切り、これまでにAFCカップを含めて6得点。ほぼ毎試合に出場し、堅調に活躍を続ける。

10代のころから海外でプレーする夢を抱いていた。憧れは「キングカズ」こと三浦知良選手。立命館大学に在学中、高校時代のコーチの紹介でブラジルにサッカー留学した。2段ベッドが並ぶ8人部屋で、ブラジル人選手と過ごしてポルトガル語を習得。「大学を辞めて残りたかった」ほどの楽しい時間を過ごした仲間とは今もフェイスブックでつながっている。

大学を卒業して加入した大分トリニータ在籍中に全治8~9カ月の大けがを負い、不意に訪れた休息。海外でサッカーをする夢が再び頭をもたげた。欧州チームの扉をたたき、モンテネグロ、オーストリアでのプレー機会を得た。

アジアとの最初の出会いはラオスだ。強豪ランサーンの中心選手として活躍したが、受難。サッカー創世記のアジアのチームは、オーナーの資金だけが頼りで基盤が脆弱なことも多い。一時帰国して結婚式を挙げた翌日に「チームが財政難で消えた」と知らされた。途方に暮れる中で、実力を買ってくれたインドネシアのクラブを経て、ミャンマーへ来た。「思えば大変な時期だったが、不思議と『また新しいことに出会える』という前向きな気持ちは途切れなかった」と振り返る。

■チームワーク重んじるミャンマー選手

「サッカーを続けるためには厳しいこともあるが、サッカーがあり、いろいろな国で人と関わり生きる楽しさがある」。ミャンマーのチームで驚かされたのは、目標に向かう厳しい姿勢だ。全国がお祭り状態になるミャンマー正月(ティンジャン)の初日も「ヤンゴン・ユナイテッドは他のチームと違う。皆が遊んでいてもチャンピオンになるために練習する」と監督のげきが飛んだ。怒りの表現がよくないものとされがちな東南アジアの他国では、監督も選手への叱責を避ける。「言い聞かせに四苦八苦する場面を見ることもあったが、ミャンマーはチームワークや規律を大切にし、求めるチーム像に向かい、皆でよくなろうとする意識が強い」と言う。

ある日、頻繁にけがする選手が「毎日クールダウンのストレッチやジョギングで自己管理を徹底するコースケを見習え」と注意を受けた。クールダウンを2人で始めたが、いつしか追随する選手を交えた8人の仲間の輪に。サッカーはミャンマーで最も人気の球技だが、選手育成は緒に就いたばかりだ。まじめさや手を抜かないことでは東南アジア随一ともいえるチームメートと接し、外国人として果たせる手助けをしたいとも思う。

ヤンゴン・ユナイテッドは今季、AFCカップで悲願のグループ予選を突破。国内リーグではもちろん1位を狙う。プレーに加えて心がけるのは「仲間の中に入り込むこと」。皆と一緒にとるミャンマーカレーの「ヒン」は体質が異なる日本人にはカロリー過多になるのが悩みだが、自宅では一緒に住む妻が栄養を考えてつくる日本食をとり、健康管理をしている。

「小学校時代はレギュラー入りできるかどうかの境界線、出身の京都府で高校時代に代表選手になったこともない。決してエリートではなく、好きという一心でここまで来た」というが、描いてきた夢が実現できている実感はある。「チームのために走り回り、自分自身が成長することで伝える側になっていけるのではないか」。サッカーという軸を持って世界を巡る。今はその旅の真っ最中だ。(共同通信ヤンゴン支局・齋藤真美)


関連国・地域: ミャンマー
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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