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【アジアで会う】大沢義生さん ダイブリゾート経営者 第206回 つながりが生んだ「日常」(フィリピン)

おおさわ・よしお 1975年1月2日生まれ、東京都出身、埼玉県育ち。中央大学・総合政策学部卒、日本福祉大学大学院・国際社会開発学修士。明石書店に3年間務めた後、子ども支援を手掛ける非営利組織(NPO)のワークキャンプ、スタディーツアー等の支援事業の実施のために渡航する。当時趣味で始めたダイビングにのめり込み、インストラクターとしての下積みを経て独立。2014年11月にダイブリゾート「アニラオ・ヴィラ・マグダレナ(Anilao Viilla Magdalena)」(バタンガス州)をオープンした。

「いろいろな人に助けられてここまで来ました」。日本人を中心としたダイバーを顧客とする、ルソン島南西にあるマグダレナは、大沢さん夫婦で運営する。設立時には、約10年間務めた別のダイビングショップで交流した顧客の1人である「さかなくん」が建設中だった別荘を購入させてもらった。真西に面し、夕日がきれいに見える場所。日本人を中心とするダイバーが集う、楽園の運営生活が始まった。

海の中に潜るという、非日常的なことが日常――。マニラ首都圏から車で約3時間の距離にあるアニラオは、海洋生物の種類の多さが魅力というフィリピン有数のダイビングスポット。フィリピン全体では北側に位置しており、沖縄エリア、セブ島エリアそれぞれに分布する生き物が同時に見られる。

「来年は、サンゴの産卵の日を予測してツアーを企画したい」と語る。4月後半~5月中旬の満月前後、夜に一斉にバンドル(精子と卵が入ったカプセルのようなもの)が一斉に放出される日がある。今年は、ナイトダイビングを繰り返して調査し、予想通りの日程でバンドルの放出を確認。バンドルは海面ではじけ、幼生をつくる。幾千幾万ものバンドルが海中に漂う神秘的な光景を、多くの人とともに見ようと考えている。

■慈善活動でフィリピンへ

フィリピンにおけるダイブリゾートの経営までは、不思議な巡り合わせがあった。海外に初めて出たのは、高校1年生の頃。1990年にピースボートが初めて世界一周クルーズを実施した際、長崎からアジア数カ国まで乗船し、マニラにも訪れていた。

2度目のフィリピン訪問では、そのまま現地での生活を続けることとなる。大学の在学中に創設メンバーとして携わったNPO「CFFジャパン」が、フィリピンの子ども支援に本腰を入れようとする際、ただ一人の日本側事務局としての常任有給スタッフとして手を上げた。

ルソン島北部パンガシナン州スアルにあるCFFフィリピンの「子どもの家」では、現地の子どもたちや仲間と共同生活を送った。もともと国際協力や文化人類学に興味があったこともあり、約4年間をフィリピン日本の往復で過ごした。

■ダイビングが仕事に

パンガシナン州は、サーフィンスポットとして有名なラウニオン州に隣接しており、ダイビングもできる。世界最大のダイビング教育機関PADIの初心者ライセンスを取得し、ステップアップしていった。

「ダイビングを仕事にしようとは、全く考えていませんでした」。ただ、CFFから離れて次の目標をみつけようと考えた際、日本に戻ることは選択しなかった。ルソン島でよりダイビングが有名なアニラオに移り、インストラクターとして活躍することとなった。

現在は、「日本人夫婦が営むダイビング宿」とうたうマグダレナで忙しい日々を送る。手入れの行き届いた機材、おいしい食事などを売りとして、駐在員や旅行で来るダイバーをもてなす日々が続く。最近は、水中の動画撮影と配信に力を入れようとしている。「いまでは当たり前の生活となっていますが、ダイビングは本来、非日常の特別な体験です。一人ではここまでこれなかったので、もっと皆さんに感謝しないとダメですね」と笑った。(フィリピン版編集・小故島弘善)


関連国・地域: フィリピン
関連業種: 社会・事件

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