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福島県、農産品輸出で最新情報を発信

福島県は3日、香港島・中環(セントラル)で地元のメディアを集め、「福島県の現状と復興のあゆみ」と題するラウンドテーブルを開催した。今月11日で東日本大震災の発生から7年を迎える中、香港への県の農産物輸出はまだ広く規制されているが、市場の規模や所得層から「期待している市場」として、最新情報を伝えた。県の再建や食品輸出の状況に関して香港市民が持っている情報やイメージを一新し、関心を高めるのが狙いだ。

福島県産の食品は、東日本大震災の発生以降、54カ国・地域で輸入規制が課されたが、今年2月22日時点で27カ国・地域が規制を解除している。ただ、香港のほか、台湾、中国本土、マカオの4カ国・地域は、広い品目で輸入を停止している。

ラウンドテーブルで登壇した福島県農林水産部技監の佐藤清丸氏は、2017年の農産品輸出は7年来初めて10年の震災前の水準である150トンを超える見込みと説明。17年はタイやマレーシア向けの桃や柿、マレーシア向けのコメの輸出量が増え、過去最高になるという。16年の輸出量は66.9トンだった。

香港向けでは震災前、コメや桃、薬用にんじんなどが主に輸出され、香港と台湾の農産品輸出量は全体の95%を占める市場だった。佐藤氏は、「香港では果物などが輸入規制されているが、安全でおいしいことを知ってもらい、食べてもらいたい」と述べた。

福島県農林水産部技監の佐藤氏(左から2番目)のほか、同県の生産者(右から2番目)らも登壇した=3日、中環(NNA撮影)

福島県農林水産部技監の佐藤氏(左から2番目)のほか、同県の生産者(右から2番目)らも登壇した=3日、中環(NNA撮影)

ラウンドテーブルでは、食の安全を重点的に紹介。食品中放射性物質量の基準では、日本が世界で最も厳格であることや、コメの全袋検査の実施などモニタリング体制が整備されていることを示した。このうち、コメの全袋検査では年間1,000万袋以上を検査しているが、平成27年度産、28年度産は基準値の超過数がゼロだった。佐藤氏は、基準値が超過している品目は出荷制限し、安全な食品のみが国内外の市場に流通しているとした上で、「これらのモニタリング検査のデータを毎日更新している。外国語にも対応しており、世界中の人が閲覧できる状況だ」と安全性をアピールした。

県内都市の環境放射線量の推移や避難指示区域の縮小、農業向けに供給している須賀川市の藤沼ダムの復旧完成など、7年で大きく回復した現状を実際のデータを示して説明。観光客が回帰していることや工業製品の出荷額が震災以前の水準に戻っていることも加えた。

県が香港で多くの地元メディアを集めてこうした場を設けるのは今回が初めて。コメの生産農家や福島県に住む香港人女性らも登壇し、PRを後押しした。

■取り組みの説明を重ねて

県は同日から4日までセントラルの「PMQ」で「福島縁日祭」を開いた。香港華南福島県人会の協力も得て、日本酒やコメ、桃の加工品などがふるまわれたほか、工芸品の赤べこや起き上がり小坊師の絵付け体験のコーナーもあり多くの市民でにぎわった。

コメの品種「天のつぶ」を提供した会津よつば農業協同組合(JA会津よつば)の土屋勇雄理事は、「福島に対するよくないイメージは香港ではまだ感じる。安全性に関する取り組みの説明をこれからも重ねていきたい」と述べた。

「天のつぶ」は粒が大きく、冷めてもおいしいのが特徴で、寿司や丼ものに向いている。既に中東のドバイ、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールに輸出しており、高級ホテルなどで提供されているという。香港では3年前から売り込みをかけている。


関連国・地域: 香港日本
関連業種: 食品・飲料農林・水産マクロ・統計・その他経済社会・事件

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