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【アジア取材ノート】 国民皆番号、商機と危うさ生む改革

[photo1]12桁の数字、指紋、虹彩──。インド政府は2010年、世界有数の生体認証システムの登録を開始した。名称は「アドハー(AADHAAR)」。この国民皆番号制度は、身分証明書を持たない人に銀行口座の開設機会を与え、親指の指紋を認証手段とする電子決済などの商機も生んだ。ただ、プライバシーの侵害を巡る論争を招き、サイバー攻撃によるデータ流出の懸念も指摘される。全国民が身分証明書を持つ社会を目指す政府の改革に迫った。(中村聡也=取材・写真)