マレーシア連邦警察は15日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏(45)がマレーシアで殺害された事件で、クアラルンプール国際空港の格安航空専用ターミナル(KLIA2)で同日、ベトナム国籍の旅券を所持していた29歳の女を拘束したと発表した。
ニュー・ストレーツ・タイムズ(電子版)などが伝えた。連邦警察のカリド・アブ・バカー警察長官によると、拘束された女性はベトナム・ナムディン省出身のドアン・シーフオン容疑者(29)で、15日午前8時20分ごろ、KLIA2で身柄を確保された。警察は、空港に設置された防犯カメラ(CCTV)の映像から容疑を固め、単独で空港内にいたドアン容疑者を逮捕した。現在、取り調べが続けられているところだという。
現時点で、連邦警察は殺害された男性が金正男氏だと明言していないものの、北朝鮮出身の男性が、同氏が偽名として使用していた「キム・チョル」名義のパスポートで入国していたことは認めている。連邦警察の声明によると、「キム・チョル」氏名義のパスポートには、生年月日は1970年6月10日、北朝鮮・平壌生まれの46歳と記載されていた。一方、韓国政府は15日、「(死亡した男性は)正男氏だと確実視される」と発表した。
■金氏、6日からマレーシア滞在か
正男氏とみられる男性は、6日からマレーシアに滞在していた。13日午前9時頃、KLIA2からマカオに出国しようとしていたところ、「何者かにつかまれて、顔に液体をかけられた」と空港職員に助けを求めた。空港の診療所に診察を受けた後、空港から近い行政都市・プトラジャヤの病院へ搬送中、死亡した。
北朝鮮大使館側は、マレーシア当局に対し遺体の引き渡しを求めているが、遺体はクアラルンプール市内の病院に移され、検視などの調査が続けられているという。
空港のカメラには、白いシャツにデニムのスカート、青いバックパックを背負った女性と、青いシャツにジーンズをはいた女性が映っており、警察が行方を追っていた。
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