ノルウェーに本部を置く「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」は2日、メキシコの首都メキシコシティーで理事会を開き、ミャンマーをEITI加盟の候補国に選んだ。ミャンマーが加盟に関する要件を満たしていると判断した。加盟できれば天然資源の世界市場でミャンマーの存在感が高まる。一方、資源開発の透明性向上を求められるようになるため、既得権益を守りたい勢力からの反発も予想される。
EITIは、石油・ガス・鉱物資源などの開発に絡む多国間協力の枠組み。資源企業から資源産出国への資金の流れの透明性を高めるもので、腐敗や紛争を予防し成長と貧困削減につながる資源開発を促進するのが狙い。現時点でEITIで定められた基準を守る順守国と、基準を守ることを宣言した候補国を合わせて44カ国が参加している。
EITIは今後、ミャンマー政府に対し、資源開発企業から受け取った資金の額を公表するよう要求する。また、鉱区の権益保持者に関する情報や、資源に関連する国営企業の情報の提供も義務づける。向こう3年にわたりミャンマー政府が基準を守ることができれば、同国を候補国から順守国に格上げする方針だ。
クレア・ショートEITI理事会議長は、「ミャンマー政府に対して、改革を一段と進めるとともに、政府機関の透明性をさらに高めるツールとしてEITIを活用してもらいたい」と語った。
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