ミャンマー政府は、労働者の法定最低賃金を9月までに決めて公表する方針を示した。12月から適用する。金額の設定に向けた調査が全国で行われているが、労使がそれぞれに主張する最低賃金額に大きな隔たりがある。総選挙を来年に控え、政府は難しい舵取りを迫られることになる。
政府はかねて、年内に最低賃金を設定すると説明してきたが、調査を今月中に完了できるめどがついたことから、9月に公表する方針を固めた。公表後は、10~11月に労働者側と経営者側の双方の苦情を聞き取って問題点をつぶした上で12月に設定額を適用する。
労働省のティン・アウン副大臣によると、政府は全ての業種に最低賃金を適用する考え。業種や地域によって設定額を変えるかどうかなどの詳細は、明らかになっていない。
現在は、最低賃金の設定に向けた調査が全国で行われている。近く完了する見込みで、結果は月内にも政府内の国家最低賃金設定委員会に送られることになっている。
ミャンマーでは昨年6月に最低賃金法が成立し、翌月には細則も策定されたが、最低賃金の設定に向けて政府が動き始めたのは今年1月。最低賃金に関する初の政府会合が開かれた。会合では、年内に最低賃金を設定することが決まった。
その後、政府、労組、企業の3者による会合が複数回にわたり行われてきた。だが、労組側は日額7,000チャット(約742円)を、企業側は3,000チャットを最低賃金として設定すべきと主張し、溝が埋まらない状態となっている。
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