縫製業にとって、環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）加盟は飛躍の機会だが、専門家からは優遇関税率の適用を受けるための原産地問題を憂慮する声が上がってい…

ベトナム

縫製業にとって、環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）加盟は飛躍の機会だが、専門家からは優遇関税率の適用を受けるための原産地問題を憂慮する声が上がっている。６日付トイバオキンテー電子版が報じた。
今年上半期（１～６月）の段階で、全国からの縫製品輸出額の70％近くはＴＰＰ関係各国への輸出が占めている。ＴＰＰ加盟後これらへの輸出は大きく増えるとみられる。しかし、ベトナムの縫製品原料の60～90％はＴＰＰ枠外の各国に依存しており、この現状が改まらなければ、ＴＰＰ関税の対象外となる。
ベトナム縫製協会（ＶＩＴＡＳ）によれば、米国向け縫製品輸出は51億8,000万米ドル（約6,440億円、前年同期比11％増）で、同品目の輸出全体の42％、ＴＰＰ関係国向け輸出の50％近くを占める。これに日本向けの13億米ドルが次いでいる。
貿易の専門家によれば、世界最大の縫製品輸入国である米国では、国内縫製業の規模は比較的小さいが、業界の発言力が大きく、ＴＰＰの優遇関税を受ける条件として、原料の繊維に至るまでＴＰＰ枠内の原産であることを求めている。
世界銀行の代表者は、「ベトナムは米国への縫製品輸出国としては第３位だが、原料の60～90％を中国や台湾などＴＰＰ枠外の国に依存している」と懸念する。
労働効率の低さも懸念材料だ。ベトナムの労働者が１日に仕上げるポロシャツは12枚で、中国の25枚の半分。結果として製品単価は高くなる。フンイエン縫製総公社のグエン・スアン・ズオン会長によれば、国内の労働効率はマレーシアの30％、タイの40％にとどまるという。
縫製品の平均関税率は現在16～17％だが、ＴＰＰ関税が適用されれば０％となり、競争力は大幅に向上する。

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