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【18年の10大ニュース】試練の蔡総統、再選へ向け「自身を変革」

「最も変わらなければならないのはわたし自身」――。11月の統一地方選で大敗した後の、蔡英文総統の反省の弁である。
3年目に入った今年も、経済は悪くなかった。米中貿易摩擦が本格化するまで輸出はプラス成長が続き、経済成長率は2%台を維持。しかし、賃金の伸びはまだ低く、年金改革をはじめ痛みを伴う改革は猛反発を受けた。一方で、同性婚の法制化は民主進歩党(民進党)の支持者でも保守的な層から嫌われ、2025年までに脱原発を目指すエネルギー政策は「結局大気汚染を生む火力発電への依存度を高めるだけ」と批判を浴びた。
こうして16年の総統選で勝利した時の熱気はすっかり冷め、支持率が回復しないまま統一地方選に突入。結果は大敗だった。同時に行われた住民投票でも、民法での同性婚合法化や脱原発の実現など蔡政権の方針が否定されてしまった。
20年の次期総統選までに残された時間はわずか。その時までに蔡総統は「変わることができ」、出馬するのか。それとも対抗馬が登場するのか。しばらくは政治の季節が続く。