バンコクに住む女性の消費スタイルは、「移り気なトレンド・フォロワー」——。博報堂が5日発表した東南アジア7都市を対象にした生活者調査リポート「グローバル・ハビット」で分かった。
7都市における中間層の女性の消費意識、買い物行動やブランド意識などに注目し、2010~14年の5年間(ヤンゴンは13年のみ)の調査データを分析。5つの消費スタイル・クラスターに分類したところ、バンコクの女性(2,012人)は「移り気なトレンド・フォロワー」に分類された人が全体の33.5%を占めた。トレンド・フォロワーは、買い物やブランド選択の計画性が低く、あまり検討せずに衝動的に商品を買う傾向が強い。自分の考えよりも他人や周囲の意見に影響を受ける消費パターンを持つと考えられる。
■分かりやすいプロモーション有効
調査によると、タイは女性の高学歴化が進んで就業率が高い上、シンガポール並みに社会の「少子化」が進行していることから、女性の個人的な自立が進んでいると考えられる。現時点では経済の伸びが緩やかなこともあり、意識の面で上昇志向や競争意識よりも安定志向や横並び意識が強くなってきていると分析される。消費活性化に向けては、中間層女性の手が届く商品を用意して、分かりやすいプロモーションを実施するのが有効という。
バンコクの女性はこのほか、家族志向が強く、個人の欲求よりも周囲や家族を重視する「家族コミュニティー優先派」が23.5%、買う前に値段をよく比較して計画的な買い物をすることが多く、総じて価格志向が強い「賢く手堅い合理派」が20.2%、ブランド志向が強く、衝動買いや新商品志向が強い「高感度な自己表現派」が16.0%、商品知識を広く持ち合わせ、ブランド志向が非常に高い「ブランド志向コスモポリタン」が6.8%を占めた。
同リポートは、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、メトロマニラ、ジャカルタ、ホーチミン市、ヤンゴンの15~54歳の女性を対象に、1万943人分のデータを分析。消費意識に関する20項目の質問を尋ねた。調査期間は10~14年。博報堂はグローバル・ハビット調査を2000年から実施している。
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