日本政府は、国際協力機構(JICA)を通じて日本式の工学教育を取り入れたマレーシア日本国際工科院(MJIIT)の設備費用として、マレーシア政府に66億9,700万円の円借款を貸与する。27日に行政都市プトラジャヤのホテルで調印式が行われた。
MJIITにおける教育、研究用資材・機材の調達、その調達に必要なコンサルティングサービスに向けた資金を貸し付ける。金利は設備購入など本体部分が2.0%(年)、コンサル部分は0.01%。償還期間は30年間となる。
事業は2018年6月の完成を予定する。研究資材調達の入札は来年10月となる見通し。MJIITの11~17年の総事業費(運営費、実験設備費、施設費など)は約200億円とみられており、約3分の1が円借款で賄われることになる。
MJIITは、国立マレーシア工科大学(UTM)内に学部・大学院を有するインスティチュートとして設置され、今年9月に開校した。日本式の工学教育の特徴を生かすとともに、環境技術など新分野にも重点を置く。校舎はクアラルンプール中心部にあるUTM国際キャンパスに建設中で、関係者によると工事は99%完成している。現在はUTMの別校舎内で第1期生約60人が学んでいる。初年度は日本の協力大学23校から6人の教員が派遣される予定だ。
日本からマレーシアへの円借款貸付はこれが75件目となる。JICA関係者によると、国民総所得(GNI)水準からみて同国への政府開発援助(ODA)は「卒業」の時期を迎えている。ただこれまでの両国の協力関係を考慮して特別に移行期間が設けられており、今後4~5年は円借款の新規貸与が可能という。
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