広州ではほぼ流通していない1元(約13円)の100分の1の通貨「分」。友人が言うには「物乞いに渡すと怒られる程価値が低い」ということだが、最近は「角」もらしい。
あるバス停で、物乞いのおじさんがバスを待つ人に声を掛けていると、1人の女性が10分の1元である1角札を手渡そうとした。ところが、おじさんはその1角札を女性からむしり取ると、クシャクシャに丸めて女性に投げつけ、あろうことかものすごい剣幕で罵声を浴びせた。広東語なので何を言っているのかは不明だが、「そんなはした金じゃ飯も食えんっ!」などと言っていたのだろう。
おじさんはその後も物乞いを続けていたが、さすがにこの騒動の後では誰も見向きもしない。短気は損気、ちりも積もれば山――とは言うが、物価上昇の波は物乞いの世界でも大きな圧力となっているのだろう。(程)<広東>
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。