国際協力機構(JICA)はこのほど、ルソン島北部のイサベラ、イフガオの両州で小型水力発電所の事業化調査を実施することで、国家かんがい庁(NIA)、エネルギー省と正式に合意した。イフガオ州では一般的な流れ込み式発電所、イサベラ州ではかんがいの落差を利用した発電所の建設を視野に入れている。
JICAフィリピン事務所の担当者が7日、NNAに説明したところによると、事業化調査は無償資金協力として実施され、年内に完了する見通し。その後、審査を経て来年早々にも事業化の可否が決定するという。
同担当者は、これらの小型水力発電事業が、JICAが注力分野として位置付けるグリーン成長と中小企業支援を備えた案件と指摘。特にかんがいを利用した低落差の水力発電では、日本の中小企業が有する技術力を発揮できるとの認識を示した。
マニラブレティンなどによると、NIAのナンヘル長官は両発電所について、来年の着工、2014年の稼働に期待を示しているとされる。
JICAは今回の調査に先立ち、エネルギー省などと共同で「水力発電資源インベントリー調査プロジェクト」を2010年2月から11年12月にわたり実施。フィリピン国内における水力発電の可能性を調査し、その結果を基にデータベースを作成している。
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