カンボジアで、53日ぶりに新型コロナウイルスの新規感染者が確認された。政府は、隣国タイで流行中とされる新型コロナ変異株「オミクロン株」の派生型「BA.4」「BA.5」の感染拡大に警戒感を強めている。28日付地元各紙が伝えた。
フン・セン首相は28日、新たな感染者は複数で、海外渡航の証明書を取得するために受けたPCR検査で陽性が確認されたと説明。「ここにきて再び新型コロナの感染者が報告されたことで、マスク着用など予防対策の実施をあらためて心掛ける必要がある」と国民に呼び掛け、ワクチン接種を積極的に受けるよう促した。
一方で保健省は、タイで感染拡大が伝えられているオミクロン株の派生型の流行に警戒している。猛威を振るったデルタ株に症状が似ているとの情報もあるため、同省は国境や空港などでの検疫体制を強化すると指摘。同省の感染症管理センター(CDC)のライ・ソワン所長は、「体温が37度以上で、風邪症状を示している入国者全員に新型コロナの検査を実施する」との方針を示した。
タイの英字紙バンコクポストが24日に報じたところでは、BA.4とBA.5型の感染者は181人。これら派生型に罹患(りかん)すると、デルタ株で確認されたような肺炎症状を引き起こす恐れがあるという。
カンボジアの新型コロナ感染者は、28日時点で13万6,262人。うち13万3,206人が回復し、3,056人が死亡した。この数字には、新たに報告された感染者は含まれていない。
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