ベトナムの工業団地に進出している外資系製造企業の間で、賃金の優れた会社へと地元労働者が流れる動きが広がっている。
23日付ベトナム・インベストメント・レビュー(VIR)によると、米アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」を受託製造する台湾の鴻海科技集団(フォックスコン)は、中国企業に安価な労働力を奪われていると不満を漏らしている。劉揚偉董事長は今月、同社のベトナム拠点近くに複数の中国企業が土地を確保し、労働者に近づいていると批判した。鴻海は現在、北部バクニン省の工場で約6万人を雇用しているが、今後2年で増員する計画だ。奪い合いが深刻化すれば、人手不足が生じる危険もある。
劉氏は具体的な中国企業名を挙げなかったが、鴻海から立訊精密工業(ラックスシェア)に移った北部バクザン省の労働者によると、立訊の月給は約215米ドル(約2万9,000円)で、鴻海を約20米ドル上回る。住宅手当は20米ドル、燃料手当は13ドル、危険手当は9ドルで、いずれも2~3米ドルずつ鴻海より高いという。
ベトナムでは労働者の低収入が問題視されており、7月1日から最低賃金が6%引き上げられる。
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