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【アジアで会う】鄭ダウォさん パーク・システムズ・マーケティング担当 第395回 コロナ禍で挑戦続ける国際派(韓国)

鄭ダウォ(ちょん・だうぉ) 1992年生まれ、韓国・ソウル出身。中学2年から父親の仕事の都合で横浜に移住。日本の高校に通い、立教大学で異文化コミュニケーションを学ぶ。ニュージーランドとドイツへの留学経験を持ち、大学卒業後は、海外経験と言語能力を生かすため大韓航空に就職。2019年にエアソウルに転職したが、新型コロナウイルス感染症の影響もあって再び転職を決意。20年4月に現在のパーク・システムズに入社し、現在はマーケティングを担当する。

パーク・システムズは、「原子間力顕微鏡(AFM)」という特殊な顕微鏡を開発・生産・販売する韓国企業。1997年に設立され、米国や欧州、日本など世界各国に支社を持つ業界では歴史の古いメーカーの1つだ。鄭ダウォさんは、そこで、日本市場のマーケティングを担う。

鄭さんがパーク・システムズに入社したのは、20年4月のこと。新型コロナ感染症のパンデミック(世界的大流行)が本格化しはじめたころだが、それまでは航空業界で働いていた。「主に日本市場でのマーケティングを担当している。骨の髄まで文系だったので最初は出てくるマーケティング用語もほとんど理解できなかったが、自分が入社してから業績も上がっているのでやりがいを感じています」と鄭さんは力強く話してくれた。

■海外・言語能力を生かしたい

父親の仕事の都合で、中学2年から日本で暮らしてきた鄭さんの日本語はネーティブと言っても遜色がない。それに加え、大学時代にはニュージーランドとドイツでの留学経験もある国際派だ。

日本での就職については「海外に行くのも人と接するのも好きなので、自分の海外経験や言語能力を生かせる職業がいいと思った」という。そして、大韓航空にグランドスタッフとして就職。1年ほど働いた後に、格安航空会社(LCC)であるエアソウルの人事部に転職する。

ところが、エアソウルで働き始めて1年余りが過ぎた頃に、新型コロナのパンデミックが発生。航空業界が混乱に陥った。入国制限などの規制が日々変わる中、それを随時チェックし、飛行機が飛ぶか飛ばないかを注視する。「まさにカオス状態だった」と、鄭さんは当時を振り返る。

「(会社が)少しずつ支店を閉じていく中、人事部として社員を首にしていくのはつらかった。コロナ禍が徐々に深刻化していき、『次は自分の番かな』と覚悟しました」

「グランドスタッフの経験を生かせるような企業があるのか」という不安もあったそうだが、鄭さんは再び転職を決意する。

■異業種で新たな挑戦

再就職の場として、母国である韓国を選んだ。そこで出会ったのが、パーク・システムズだった。同社が手がけるAFMは、半導体のウエハーの欠陥を探す場合などに使用するもので、半導体製造に欠かせない設備の1つだ。「コロナ禍もあり、外部から影響を受けにくい企業に就職したいと思っていました。AFMは科学的用途なので需要がなくなることはない。結果的にいい転職になりましたね」と鄭さんは話す。

マーケティングは初めてだが、「努力が成果として表れてきたため非常にやりがいを感じる」という。日本市場はメード・イン・ジャパンを好む傾向が強く、いかにそれを破っていくかに苦労したが、日本でのマーケティング活動を活発化した結果、日本の競合会社がパーク・システムズを意識していると感じることが増えたという。

「昨年に日本の展示会に参加したところ、競合会社の人から『最近のパーク・システムズさんのマーケティングは攻撃的だ』と言われました。いい意味でライバル視、注目されているということを感じました」と、鄭さんは手応えを実感する。

■業界誌の日本版プロジェクト

コロナ禍がエンデミックへ移行するにつれ、キャンセルされていた展示会も徐々に再開されつつある。そのため、「今年は今まで以上の何かを得られるのではないか」と、鄭さんの期待も大きくなっている。

そんな中、鄭さんは「会社が発行する業界誌の日本版プロジェクト」という新たなミッションを担当することになった。「これまでは英語版しかなく、日本で活用されていなかった。その日本版の発行が、今年最大のチャレンジであり、目標です」と意気込む。

日本の主要研究機関やメジャーな教授へのインタビューを行い、完全なオリジナルとして作り上げる。会社の広報も兼ねているが、日本の科学技術を世界に紹介する「読み物」として仕上げたい考えだ。「今回はインタビューを受ける側だが、今度は私がする側になるわけです」と、鄭さんは笑顔で話す。

コロナ禍で転職を余儀なくされ、マーケティングという新しい分野に取り組む鄭さんの挑戦は、今年も続きそうだ。(韓国編集部=清水岳志)


関連国・地域: 韓国
関連業種: 社会・事件

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