雨期には珍しく快晴だった日の昼ごろ、ビルの外にある階段に腰掛けて気持ちよさそうに寝ている地元住民を見かけた。はだしに大きな口を開けて爆睡している。通り過ぎる人たちも気にする様子はない。
忙しい時間の合間を縫って昼食に出掛けた身としては、爆睡の住民がうらやましくも映る。平日の真っ昼間に寝ることなど、休暇を取ったときくらいしかできない貴重な時間だ。昼食を済ませてもう一度通りかかると、その住民はまだ寝ていた。そこへ同僚らしき人が起こしに来て、「至極の時間」は過ぎ去った。
思い起こせば、何かに追われるように毎日が過ぎている。さらに悪いことに、そこに意識すら向けなくなる。ところが、ふとした瞬間に、当然の毎日がそうではないのかもしれないと気付かされる。晴れた日の「爆睡住民」はそれほど印象的だった。(内)
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