公園でボール遊びをする子どもたちや、道ばたで井戸端会議するお年寄り。それだけの光景が、やけに懐かしく感じる。
先週、上海の外出制限が緩和され、約50日ぶりにマンションの外に出た。「久しぶりに外に出られる」という舞い上がった気持ちは、街を歩くうちにしぼんでいった。以前は多くの人でにぎわっていたショッピングモールは閉まったままで、通りを歩く人の姿もまばらだ。飲食店やコンビニには封鎖が始まった当初に貼られた「封鎖管理」の張り紙がそのままになっていた。外出が許されたのはたった3時間。行動できる範囲も限られ、友人に会うこともかなわなかった。
マンションに戻ると、敷地内に設置された電光掲示板の文字が新しくなったことに気がついた。「全人民が疫病と闘い、勝利を迎えよう」。たとえこの「闘い」に「勝利」したとしても、失われた時間は戻らない。(佳)
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