ロックダウン(都市封鎖)が続く上海市や周辺に生産拠点を持つ一部の上場企業が工場の稼働再開を進めている。稼働停止や物流停滞による打撃を受ける中、早期の再開で影響の軽減を図っている。
上海市に生産・研究拠点を4カ所持つバイオ関連企業の上海南方模式生物科技は20日、従業員が工場内にとどまり、封鎖された環境下で生産を維持していると明らかにした。一定条件の下で工場稼働の継続・再開を認めるホワイトリストにも入り、「従業員の出社を手配し、稼働再開を段階的に進める」と説明した。
自動車部品メーカーの江蘇南方精工は21日、「上海子会社は在宅勤務の状態が続き、通常業務に一定の影響を与えている」と説明。ただ市の生産再開方針に伴い、自動車用半導体チップの年度計画を推進し、研究開発や販売を加速するとの方針を示した。
上海に隣接する江蘇省昆山市に拠点を置く精密部品メーカーの福立旺精密機電(中国)も20日、厳しい感染対策の下で操業を再開し、既に新型コロナ禍前の状態に回復したと説明した。
機械メーカーの華辰装備は、上海市や江蘇省蘇州市の防疫措置強化が物流や出荷に影響したものの、現地政府の政策に基づいて封鎖環境下で生産を続け、足元では全面的に稼働を再開したと表明した。
原料薬メーカーの江西同和薬業は20日、第2四半期(4~6月)の輸出貨物の出荷に比較的大きな影響を及ぼしているとした上で、6月に感染状況が改善すれば、停滞していた製品の出荷を進め、納品の遅れを最小限に抑えるよう努めると説明した。
太陽電池などを手掛ける中来も20日、「上海の感染状況が徐々に好転するのに伴い、自社プロジェクトを加速し、新型コロナ禍による影響軽減に努めている」と明らかにした。
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