オーストラリア証券投資委員会(ASIC)とオーストラリア証券取引所(ASX)、オーストラリア慈善団体・非営利団体委員会(ACNC)はこのほど、企業によるESG(環境、社会、ガバナンス)関連の情報開示が不十分だとして、改善に向けた取り組みを強化する方針を明らかにした。18日付オーストラリアンが報じた。
ASICのコミッショナーのヒューズ氏は17日に開催されたガバナンス&リスク管理フォーラムで、投資家が適切な情報を受け取れるよう、来年度以降、企業による気候変動・ESG関連の情報開示状況を精査すると説明。また、環境に配慮しているかのように企業が偽善的な広報活動を行う「グリーンウォッシング」についても、監視を強化するとした。
一方、ASXのライアン最高コンプライアンス責任者(CCO)は、上場企業や上場ファンドによるESG関連の情報開示が不十分なことを懸念していると述べ、コーポレートガバナンス(企業統治)に関する指針を引き上げる考えを示した。ASXは企業のESG情報開示に関する報告書の作成を会計大手KPMGに委託しており、来月後半に報告書が公表される見通しだ。
ACNCも、慈善団体や非営利団体のESG関連の情報開示状況に注目しているとし、報告規定の変更によってこれを改善できる可能性があると指摘した。
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