オーストラリアには諜報(ちょうほう)機関と呼べる組織がいくつかある。要するにスパイ組織だ。先日、オフレコで開かれたある外交談議に参加した際、偶然にも、ある諜報員と隣になった。
その会では、その諜報員が発言したコメントが興味深かったので、思わず筆者が「今度インタビューさせてもらえないか?」と、気軽に聞いてみた。すると彼は、のけぞるようにして「もちろんダメだよ!」と一笑に付したので、逆に面食らってしまった。だが普通に考えれば、相手は諜報員だ。どこの馬の骨とも知らぬ外国メディアのインタビューを気軽に受けて、ペラペラ話せるわけがない。
ちなみに日本にはスパイ防止法がなく、本格的な諜報機関が存在しない。そのため、各国のスパイが水面下で繰り広げる諜報活動のし烈さを知らない国民が大半だ。そんな国の記者であることを、図らずも彼に露呈してしまった。(西嵐)
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