インドネシアのアイルランガ調整相(経済担当)は11日、気候変動による経済的損失により、2030年までに国内総生産(GDP)が10%低下する可能性があるとの試算を示した。同年までの気候変動対策に3,461兆ルピア(約30兆7,700億円)が必要となるとの認識を示し、国内外からの協力を得て資金調達に注力する必要があると述べた。12日付インベストール・デーリーが伝えた。
アイルランガ調整相は、11日に首都ジャカルタで開催された「グリーンエコノミー・インドネシア・サミット2022」で、東南アジア諸国は気候変動による経済損失のリスクが高いと指摘し、インドネシアでは森林火災の影響などでGDPを10%押し下げる可能性があると述べた。
インドネシアは、二酸化炭素(CO2)の国別削減目標「自国が決定する貢献(NDC)」において、追加的な対策を講じなかった場合(BAU)と比較して30年までに排出量を29%、国際支援を活用して最大41%、それぞれ削減する目標を設定している。
アイルランガ調整相は、締約国会議(COP)で目標を掲げるだけで具体的な取り組みに至っていないと指摘。具体的な活動を始めるため、まずは資金を調達する必要があると述べた。
環境・林業省のアルー副大臣は、先進7カ国(G7)は気候変動対策に年間1億米ドル(約130億円)を拠出すると確約しているものの、一度も達成されたことがないと批判。温室効果ガス排出削減を加速させるため、11月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の作業部会で話し合う方針を明らかにした。
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