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洋菓子の新業態店がハノイに 麦の穂、5年で海外300店目標

シュークリーム専門店「ビアードパパ」を運営する麦の穂(大阪市北区)は21日、価格帯を従来より約4割下げたシュークリームの新業態店「ベレーパフ(Beret Puff)」の1号店をベトナムの首都ハノイで開業した。物流の大幅見直しによる低価格化によってこれまで接点がなかった新たな顧客層を掘り起こす。東南アジアを中心に5年以内に300店を出店させる構想だ。

麦の穂の新業態「ベレーパフ」の世界1号店。開業日には行列ができた=21日、ハノイ市カウザイ区

麦の穂の新業態「ベレーパフ」の世界1号店。開業日には行列ができた=21日、ハノイ市カウザイ区

1号店を開設したのは、ハノイ市カウザイ区にあるスーパー「サクコ(SAKUKO)ストア」チャンダンニン店。同スーパーは日本から輸入した日用雑貨や食品などを取り扱っており、ベトナム北部を中心に38店舗を展開している。サクコはビアードパパのベトナム北部エリアを担当するフランチャイズ(FC)店だ。

「ベレーパフ」の価格は1個当たり2万ドン(約0.8米ドル、110円)で、ビアードパパで扱うシュークリームの価格より約4割安い設定だ。当初はバニラやチョコ、抹茶、ブルーベリーなど定番の6種類だが、すでにフルーツパンチやグアバなど20種類以上の新クリームも開発済みで、順次投入していく。

シンガポールの現地法人麦の穂グローバル(MUGINOHO GLOBAL)の井上慶マネージングディレクターは、NNAに対して「ビアードパパの製品は1個当たり3万1,000ドンからと、ローカル基準では決して安くない価格設定で、新興国で店舗を一気に2倍、3倍に拡大するのは難しい」と述べ、従来は購入してもらえなかった若い人など新たな顧客を開拓することが新業態店の狙いだと説明した。

まずはバニラやチョコなど定番6種類から販売開始した

まずはバニラやチョコなど定番6種類から販売開始した

薄茶色が定番色のシュークリームの色をカラフルにしたり、フルーティーなフレーバーをあしらうなどの工夫は、「幅広い年齢層から食べてみたいという気持ちを引き出すため」だという。

サクコのカオ・チー・ズン最高経営責任者(CEO)も「ビアードパパには手が届かなかったベトナム人にも日本のシュークリームのおいしさを知ってもらえるはず」と新ブランドに期待を寄せた。

麦の穂はビアードパパなどのスイーツ専門店8ブランドを日本国内で展開しており、ビアードパパはベトナムの20店舗を含めて海外に約200店舗ある。

第1号店はスーパー「サクコストア」チャンダンニン店に併設している

第1号店はスーパー「サクコストア」チャンダンニン店に併設している

井上氏によると、新業態店の1号店をベトナムに開設することにしたのは、新型コロナ禍の影響を受けながらも東南アジアの中で最も高い経済成長率を維持し、若い人口が多いためという。サクコ側も早い段階から新業態展開に共感し、積極的だったという。

南部ホーチミン市でも新規FC候補との商談や導入テストが進んでおり、早期の出店を検討しているという。

■常温輸送と集中製造でコスト減

低価格化実現のカギになったのは、物流の大幅な見直しだ。

ビアードパパでは、各店舗がシンガポールの製造拠点から冷凍シュー生地を貸し切りコンテナで輸入調達しているほか、専用の製造機材を複数準備する必要があった。

ベレーパフでは常温のシュー生地用ミックスパウダーを混載輸送(LCL)で調達するため、海上輸送・保管コストが低下。冷凍物流網が整備されていない地域への進出も可能になった。さらに製造や加工を1カ所に集中させる「セントラルキッチン」の導入により、比較的狭いスペースへの出店を可能にした。

開業日の記念セレモニーの様子。サクコのズンCEO(左)と麦の穂グローバルの井上マネージングディレクター

開業日の記念セレモニーの様子。サクコのズンCEO(左)と麦の穂グローバルの井上マネージングディレクター

麦の穂は今後、インドやフィリピン、インドネシアなど成長性が高く、市場規模の大きい国を主要な対象国として5年で300店舗の展開を目指す。井上氏は、「十分に達成可能な目標」との見方を示し、「ベレーパフが新たな客層を掘り起こし、シュークリームの裾野を広げることはビアードパパの成長拡大につながる」と相乗効果への期待も示した。


関連国・地域: ベトナムインドネシアフィリピンインド日本
関連業種: 食品・飲料

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