「本読んで」――。おいっ子たちが絵本を持ってそばまで寄ってくるたびに、内心とても緊張する。差し出されたのはシンガポールの都市高速鉄道(MRT)をテーマにした絵本。これならちゃんと読めるだろうか、と思いながらページを開く。
シンガポール人のおいっ子たちは英語を話す。両親が中華系なので、アニメなどを中国語で視聴する場合もあるが、話す言葉は基本的に英語だ。普段から英字紙や英語のリポートを読んでいるとはいえ、自身にとって絵本はほとんど未知の世界。子供向けの語彙(ごい)は、ビジネスのそれとは別物だ。初見の単語と出会う確率は非常に高い。
発音のレッスンで学んだフォニックスを駆使しながら、なんとかそれらしく読み聞かせる。ふう、今日もどうにかなった。ただ年齢が上がってきた上の子は、そろそろこちらの英語が不完全であることに気付いている気がする。(薩)
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