台湾での新型コロナウイルス感染再拡大を受け、北部を中心に観光ホテルや飲食店で春節(旧正月、2月1日)連休期間の予約の取り消しが増えている。台北市の台北万豪酒店(タイペイ・マリオット・ホテル)は、宿泊と飲食事業の予約取り消しによる損失額が約3,500万台湾元(約1億4,400万円)に上るという。25日付工商時報などが伝えた。
台北万豪酒店は従来、春節連休の客室稼働率は65%の見通しだったが、足元では約40%に低下。約1,000万元の損失を見込む。宴会予約のキャンセルは35件で、損失額は計2,000万元。ホテル内レストランの予約取り消しでは約500万元の損失になるという。
同ホテルによると、予約の取り消しは主に大人数での貸し切りや中大型企業の定例会食で、家族での利用や個人客の取り消し状況は現時点で深刻ではない。
華泰大飯店(グロリアホテル)グループは、とりわけ台北の華泰王子大飯店(グロリア・プリンスホテル)とサービスアパートメントの華泰瑞舎(グロリアレジデンス)へ影響が大きいと指摘。2カ所のキャンセル率は15~20%に上る。新北市の板橋凱撒大飯店は、除夕(旧暦の大みそか、1月31日)から2月3日までの客室稼働率が元々8割だったが、6割程度に落ち込んだ。
台北君悦酒店(グランドハイアット台北)は、直近2日間で100室の予約が取り消された。2月2日の客室稼働率は元々85%だったが、足元では69%となっている。
■飲食、北部3市で客足減
飲食業者によると、感染が比較的深刻な桃園、台北、新北の3市では客足が減少。「尾牙(旧暦の忘年会)」や除夕の会食の予約をキャンセルする動きもあり、来客数は2~3割減少している。
台湾外食大手の王品集団は、桃園エリアの店舗が比較的大きな影響を受けていると指摘。レストランチェーンを手掛ける台湾の漢来美食(ハイライ・フーズ)は、3市の店舗で来客数が3割減少しているという。
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