昨年12月に発生した「フィッシング詐欺」が世間を騒がせている。ある大手銀行の顧客500人近くの口座から、ネットバンキング経由で少なくとも計850万Sドル(約7億2,000万円)が不正に引き出されてしまったからだ。
詐欺師の手口はこうだ。まず銀行になりすまして顧客の携帯電話にテキストメッセージを送る。メッセージ内のリンクをクリックするよう促し、偽のウェブサイトに誘導。顧客がネットバンキングのログイン情報を入力後、正規のサイトに素早くアクセスし、2段階認証に必要な情報や振込限度額を変更し、送金を終わらせてしまう。変更通知を受けた顧客が慌てて銀行に連絡した時には手遅れだ。
今回の事件に限らず、当地では詐欺と思われる電話やメッセージを受け取ることが多い。当局は「疑わしい連絡」を無視するよう警告しているが、線引きは難しい。早急な対策が求められている。(利)
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