日本に一時帰国してあらためて痛感するのは、テレビのグルメ番組とお笑い娯楽番組の多さだ。こちらが普段テレビを見ないタチだからかもしれないが、日本のどのチャンネルをひねっても放送されているそうした番組の数々には、いささか閉口させられる。
それは翻って、政治や経済のニュース報道や質の高い情報番組の少なさを示しているのかもしれない。硬派な番組では視聴率が取れないのだろう。だがこうした状況は必然的に、国民の政治への無関心や、お上に対する従順さを育てており、悪循環になっている。しかし恐らく日本政府にしてみれば、それは望ましい状況なのだろう。
コロナ禍や景気低迷、安全保障の危機にあって、政治よりグルメ、国会審議の現実よりドラマの虚構に関心がある国の行く末が、コメディーのような顛末にならないことを祈る。(西嵐)
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