香港政府は14日、春節(旧正月、今年は2月1日)前に市内の15カ所で開かれる予定だった花市(年宵市場)を中止すると発表した。新型コロナウイルス感染状況の急速な悪化が理由。
花市は毎年、香港島中心部のビクトリア公園などで大々的に開かれる春節前の風物詩だ。食品環境衛生署(食環署)は「感染対策を講じた上で開催する予定で調整していたが、昨今の感染状況に鑑み、感染拡大リスクを最低限に抑えるために中止を決めた」と説明した。
花農家らが大きな打撃を受けることから、政府は補助金を支給する考え。花市の出店者には出店料を返金する。コロナ経済対策基金「防疫抗疫基金」の第5弾から610万HKドル(約9,000万円)を、15カ所の花市と新界・大埔の新春市場の中止関連に充てる。
花市の中止で、市内の花市場が混雑すると予測されることから、食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は「民政事務局や警察と協力して花市場の混雑を制御する」としている。
政府は2021年の春節に際し、コロナ禍を理由にいったん花市中止を発表したものの、業者などからの強い批判を受けて撤回した経緯がある。今回、実際に中止されれば、初めてのコロナ禍による中止となる。
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