ベトナム統計総局(GSO)は2021年12月29日、ベトナムの21年第4四半期(10~12月、4Q)の実質国内総生産(GDP)の伸び率が前年同期比で5.22%だったと発表した。新型コロナウイルスの感染第4波に伴う厳しいロックダウン(都市封鎖)が10月以降全国で解除され、工業や農業の主要分野の多くがプラスに転じたことで、6%超のマイナスだった第3四半期(7~9月)からV字回復した。
21年通年の実質GDPの伸び率は2.58%で、20年通年の2.91%成長には届かなかった。世界銀行の集計によると、ベトナムの通年の経済成長率が過去に最も低かったのは対外開放政策ドイモイ(刷新)が始まった1986年の2.8%で、21年はそれを下回る低水準となった。
21年4Qの実質国内総生産を産業別にみると、寄与度が最も大きい工業・建設部門は前年同期比5.61%増(寄与度は63.80%)、それに続くサービス業は5.42%増(同22.23%)、農業・林業・漁業は3.16%増だった。
工業・建設部門のうち、3Qに「工場隔離」などの規制の影響を受けた製造業のGDPは7.96%増と、前四半期の4.1%減から大幅に改善した。サービス業も多くの業種で回復傾向となったが、ホテル・レストランは前年同期比15.33%減と、依然2桁のマイナス成長が続いた。
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