• 印刷する

外国人入境の全面禁止はせず オミクロン株対策、防疫は強化

香港政府は新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の流入防止策として、現時点では外国人の全面入境禁止は行わない方針だ。一方で、政府のリスク分類で最も厳しい入境規制の対象となる「A(高リスク)」グループの国・地域を13カ国増やすなど、水際対策を一層強化。オミクロン株の感染者が出た国・地域はリスク指定を引き上げる方針で、海外との往来がいっそう困難になることは間違いない。

食品・衛生局の陳局長(右から2番目)はオミクロン株の世界各地への拡散が極めて速いことに危機感を表明した=11月29日(香港政府提供)

食品・衛生局の陳局長(右から2番目)はオミクロン株の世界各地への拡散が極めて速いことに危機感を表明した=11月29日(香港政府提供)

政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は11月30日に出演した官営メディアRTHKの番組で、日本など一部の国がオミクロン株流入阻止を目的に外国人の全面入境禁止に踏み切ることについて、他国・地域の情報には留意しているとコメント。その上で、香港も厳しい対応が必要ではあるものの、全面的に外国人の入境を禁止する必要はないとの認識を示した。

一方で陳氏は、オミクロン株がもたらす影響はまだはっきりしていないと指摘。感染防止策は引き締めることはあっても緩めるわけにはいかないと強調した。衛生署衛生防護センター(CHP)が、各国・地域の保健当局と連絡を密にして最新の情報把握に努め、防疫強化の判断材料にするとしている。

陳氏は29日に開いたコロナ感染状況に関するブリーフィングで、オミクロン株に対して最高レベルの防疫措置を講じると表明。オミクロン株の感染者が出た国・地域のリスク分類をAグループに引き上げるほか、特にオミクロン株感染のリスクが高い国・地域からの入境者には通常のAグループよりもさらに厳しい検疫・検査措置を取ると発表した。

■豪州、カナダなどもAグループに

新たにAグループに加わるのは、アンゴラ、エチオピア、ナイジェリア、ザンビアのアフリカ4カ国と、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、ドイツ、イスラエル、イタリア。このうちアフリカ4カ国は11月30日から、ほか9カ国はあす2日からのグループ変更となる。

Aグループに指定された国・地域は、過去21日以内に滞在歴がある非香港居民(香港の身分証や長期ビザを持たない人)の入境が禁止される。また、Aグループの中でも特にリスクが高いと香港政府が見なす国・地域からの到着者には、21日間の強制検疫(隔離)の最初の7日間を大嶼山(ランタオ島)の竹コウ湾(ペニーズベイ、コウ=たけかんむりに高)にある検疫センターで過ごすことが義務付けられる。

11月30日時点で竹コウ湾での隔離対象となるAグループの国は、アンゴラ、ボツワナ、エチオピア、エスワティニ(旧スワジランド)、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、ザンビア、ジンバブエのアフリカ12カ国。8日目からは政府指定の検疫ホテルに移れるが、そこでもPCR検査を隔日で受けなければならない。

日本では30日、海外からの流入症例ながらオミクロン株の感染者が初めて確認されており、陳氏が示した基準に従えば、日本がAグループのリストに加えられる可能性も出てきた。日本は同日から外国人の入国を禁止しており、香港でも非香港居民の入境が禁止されれば、両地間の往来が一段と縮小することになる。

■本土往来に影響も

陳氏は29日のブリーフィングで、オミクロン株の出現が本土との隔離なし往来再開交渉に与える影響について「現時点で影響は見られない」と述べた。

ただ、専門家の見方は分かれており、香港大学感染・伝染病センター総監の何栢良医師は同日出演したRTHKの番組で「影響はきっとあるだろう」と発言。香港経済日報によると、政府のコロナ対策における専門家顧問団の一人である香港中文大学の許樹昌(デビッド・ホイ)教授(呼吸器学科)は、市中への流入を防げれば影響はないだろうとみている。

香港では30日時点でオミクロン株の感染者が3人確認されている。いずれも海外からの流入症例だ。


関連国・地域: 香港
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

テイクオフ:「日本のお米、やっぱり…(01/27)

クラスター各地に広がる 黄大仙やセン湾、日系スーパーも(01/27)

4日連続で感染者100人超え、経路不明7人(01/27)

ワクチンバブル、財務局の取引先にも適用(01/27)

香港からの深セン入境、隔離ルールを厳格化(01/27)

ロイヤルカリビアンに撤退観測、コロナ打撃(01/27)

感染発生のMTR美孚駅、消毒ロボ10台投入(01/27)

ガルフ、中国企業とラオスで水力発電所開発(01/27)

21年の空港旅客84.7%減、貨物は12.5%増(01/27)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン