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《安全》1日3千人超の感染も 政府試算、次段階への緩和延期

シンガポール政府が新型コロナウイルスに対する警戒を強めている。国内感染者が急増しているためで、このペースで行けば1日当たりの新規感染者数が現行の約8倍となる3,200人まで増えると試算している。感染対策は厳格化していないが、今月上旬に予定していた緩和措置の次の段階への移行は延期した。今後は「ワクチン接種率の引き上げ」「3回目の接種」「検査拡充」の3つを軸に感染拡大を抑制していく考えだ。

ウォン財務相は10日の記者会見で、規制強化は医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性がある場合の「最後の手段になる」と強調した(情報通信省提供)

ウォン財務相は10日の記者会見で、規制強化は医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性がある場合の「最後の手段になる」と強調した(情報通信省提供)

シンガポールでは新型コロナの国内の新規感染者数が、7月上旬に1日当たり1桁台と低水準だったが、同月下旬から100人台になった。8月上旬に2桁台に下がったが、同月下旬から再び3桁台となり、上昇基調にある。10日は昨年8月以来13カ月ぶりとなる573人の感染が確認された。

ローレンス・ウォン財務相は10日、感染対策の閣僚級作業部会が実施した記者会見で、今回の感染拡大の波は想定を上回る水準になっていると指摘。1日の新規感染者が「まもなく1,000人に達する」と発言した。2,000人になるとの見通しも明らかにした上で、市民への警戒を呼び掛けた。

オン・イェクン保健相は、「他国の感染状況を考慮すると、シンガポールの新規感染者は10日間で2倍のペースで増加する」との試算を提示。8月23日(感染者98人)から始まった今回の感染拡大の波は2回の倍増サイクルを経て9日時点で400人を超える水準に達したと説明した。

今は次の800人へと向かう段階にあり、その後も1,600人、3,200人と2回倍増してからピークアウトするとの見通しを明らかにした。各自が感染対策を徹底すれば、最後の倍増サイクルを避けることができるかもしれないと付け加えた。

政府は8月6日、新型コロナの感染対策を4段階に分けて緩和するロードマップ(行程表)を公表し、同月10日から最初の「準備期」に入った。ワクチン接種完了者を軸に制限を解除していくことで、新型コロナと共生するニューノーマル(新常態)に備える計画だ。

9月上旬からは緩和措置の次の段階である「移行期A」に入り、各種規制を一段と緩める予定だった。ただ足元での感染者の急増を受け、次の段階に入る時期は未定となった。

■3回目の接種、14日に開始

政府は今後の感染対策として、引き続きワクチン接種率を引き上げていく方針を示している。国内のワクチン接種率は10日時点で81%。11日時点の過去28日間では、未接種の感染者で死亡または重症化した割合は4.6%だったが、接種完了者は同0.8%にとどまった。

接種を完了した人を対象に計画している「ブースター」と呼ばれる3回目の接種は、14日に開始する。外国人を含む居住者のうち、免疫不全の人と、60歳以上または介護施設に入居する高齢者を対象とする。

検査体制も拡充することで感染者を早期に発見し、ウイルスの拡散を防ぐ考えだ。6日には、多くの人と接する機会が多い職種の人を対象にした迅速簡易検査(FET)の定期検査(RRT)の頻度を増やし、対象となる職種を拡大すると発表した。

ウォン財務相は、高いワクチン接種率を背景に重症患者の数が少ないため、「現段階では、感染対策レベルの『第2期の高度警戒』への引き上げや、昨年4月初旬から約2カ月にわたって実施した厳格な活動制限の再導入は必要ない」と述べた。

規制強化は医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性がある場合の「最後の手段になる」と強調。今後の感染拡大のスピードを抑えるとともに、向こう2~4週間の集中治療室(ICU)の病床使用率などを注視する必要があると付け加えた。


関連国・地域: シンガポール
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

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