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【アジアで会う】ガンダ・イラワンさん 日系向けコンサル会社社長 第347回 日系企業の事業支援で日本に恩返し(インドネシア)

Ganda Irawan 1992年、北スマトラ州メダン出身。日本の文部科学省の国費外国人留学生として、2010~15年に日本へ留学。日本語学校で日本語を学んだ後、専門学校でロボット機械工学を勉強。その後、湘南工科大学に編入し電気電子工学を学んだ。帰国後、システム・インテグレーション(SI)会社や配車・配送サービス大手ゴジェックで勤務し、19年にコンサルティング会社を設立。留学させてくれた日本への恩返しとして、日系企業の進出や事業拡大をサポートする。

「ヤサイ・ヘルシー弁当」を手に取るガンダ・イラワン氏(NNA撮影)

「ヤサイ・ヘルシー弁当」を手に取るガンダ・イラワン氏(NNA撮影)

子どものころから機械やロボットが好きで、産業工学の先進国であるドイツか日本に留学したいと考えていた。身の回りにはドイツ製品よりも日本製品が圧倒的に多いことから、日本への留学を決意。数千人が応募し、合格者は7人という難関をくぐり抜けて、留学を果たした。

帰国後はSI会社に勤め、モノのインターネット(IoT)部門を立ち上げた。製造業向けに工場の自動化導入や設備の可視化を勧めたが、当時はまだIoTのニーズは少なかった。ある時、ドライバーが使うスマートフォンが目に留まった。スマホは誰もが持っており、配車サービスアプリや会員制交流サイト(SNS)アプリなどさまざまなアプリを入れることで、生活が豊かになっている。ビッグデータ解析や人工知能(AI)がスマホアプリに活用されていると知り、ゴジェックに転職した。ゴジェックでは在宅マッサージやランドリーサービスなどを提供するライフスタイル部門のビジネス戦略やオペレーションを担当し、新規サービスを立ち上げた。

■自分の国のものは自分の国でつくりたい

クラウドやビッグデータの処理技術が求められる最先端のIT企業では、米グーグルやマイクロソフトなどの技術がよく利用されている。一方で経済を根本で支えるのは農業や製造業で、そこにこそ日本企業の強みであるモノづくり技術がインドネシアには今後も必要だと実感した。

資源大国でありながら、加工して付加価値を高める技術が未熟なためにそのまま輸出し、加工された製品を輸入する傾向がある。伝統的な農法に頼り、生産性が低く、安定した品質を維持できない。日本の技術を導入することで、これらのインドネシアの現状を改善したいと考えた。

一方、インドネシアへの進出や事業拡大を計画する日本企業からは、市場調査や地場主要企業の動向をつかみにくいとの声を聞いた。インドネシアのことを知ってもらうと同時に、日本の技術を普及させたいとの思いから、両国の懸け橋となれるようコンサル会社、ヌサンタラ・イノベーションを設立した。業界動向やトレンド調査、大手国営・民間企業への売り込みに先立つキーパーソンや意思決定フローの調査・可視化など、インドネシア人でなくては取得できない情報を日本語で提供している。

インドネシア政府は18年に「インダストリー4.0」導入に向けたロードマップ(行程表)「メイキング インドネシア 4.0」を発表した。ガンダさんは、国内の製造業でIoTに対する関心が高まったものの、「具体的にどのように導入して、何を実現したいのか」があいまいだと指摘する。そのため、課題発見の第1段階として、企業では生産状況や設備の稼働状況の可視化の検討が進んでいるという。またガンダさんは、次の段階では予防保全がテーマになるとの見通しを示す。

■日本の味を紹介

一般の人たちにも、日本のことを知ってもらいたいと、昨年からは日本食の弁当販売「ヤサイ・ヘルシー弁当」も始めた。日本人の妻が監修し、味はお墨付き。手軽に楽しんでもらいたいと、バランスのよい日本の味を、一食5万ルピア(約380円)ほどの価格で提供している。インドネシアで健康意識が高まる一方、地場チェーン店の弁当は揚げ物中心のメニューが多く、日本の味とも異なることから、ビジネスチャンスがあるとにらんだ。現在、注文する客の95%はインドネシア人で、ゴジェックが運営する出前配達サービス「ゴーフード」での評価は、5段階中4.8以上と高い。

日本の最新技術と伝統の味。さまざまな分野で日本とインドネシアをつなぐガンダさんは「両国に貢献することが、使命だ」と誇らしく語った。(インドネシア版編集部・高島雄太)


関連国・地域: インドネシア日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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