大人の腰の高さまで冠水した路地を、晴れ着に身を包んだ新郎新婦が式場に向かう。一張羅がぬれないよう小舟代わりに乗ったベビーバスを、数人の男性が協力してゆっくり運んでいる。こんな動画がネット上で反響を呼んだ。
首都圏で週末に降った大雨で多くの地域が冠水し、ハレの日が大変な日に一変してしまった。だが花嫁、花婿、手助けしている男達もみな表情は明るい。動画を撮られている照れもあるのか、笑みさえ漏れる。悲壮感はまったくない。
泥色の水につかるのも物ともせず、近所の人も出てきて新郎新婦に祝福のあいさつをする。皆そろって笑顔だと分かるのはマスクを着けていないからだが、それをとがめるコメントもない。助け合い精神が根強く、前向きなインドネシアの人たちの良いところを凝縮したようなこの動画で、悲惨な状況に一筋の光を見た気がした。(麻)
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