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日系企業の35%が業績改善 20年4Q、足元では回復に一服感

香港に拠点を構える日系企業のうち、2020年10~12月の業績が前期(7~9月)と比べて改善した企業の比率は35.1%で、前期から3.2ポイント拡大した。日本貿易振興機構(ジェトロ)香港事務所などが25日、最新の調査結果を発表した。一方、21年1~3月の業績が改善するとの見通しを示した企業の比率は14.3%と、前期から11.1ポイント縮小した。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、回復基調に一服感が出るとの見方が強まっている。

調査は、ジェトロ香港事務所と在香港日本総領事館、香港日本人商工会議所が共同で実施。1月4~8日、同商議所の正会員(522社)と香港日本料理店協会会員(88社)、香港和僑会会員(28社)の計638社を対象に実施し、266社から有効回答を得た(有効回答率41.7%)。団体に所属していない12社も回答した。

20年10~12月の業績について、「改善した」の回答比率は前期に続いて拡大した。一方、「悪化した」または「大幅悪化した」を合わせた比率は21.5%と、前期から7.2ポイント縮小した。

業績改善の理由(複数回答)は、「中国本土への輸出拡大による売り上げ増加」が36.8%で最多となった。「本土以外の海外への輸出拡大による売り上げ増加」が34.7%で続き、前期に最多だった「香港市場での売り上げ増加」は33.7%で3番目だった。

主要8業種の業績動向を見ると、「運輸・倉庫」は「改善した」が前期の21.4%から55.6%に大きく拡大した。北米や東南アジア諸国連合(ASEAN)向け貨物の動きが活発化したことが主因とみられる。

21年1~3月の業績見通しに関しては、20年10~12月より「改善」は14.3%と、前回調査(10月)時の10~12月の業績見通しから11.1ポイント縮小した。一方で「横ばい」は前回調査時から8.5ポイント拡大。「悪化」または「大幅悪化」の合計は25.9%となり、同2.7ポイント拡大した。

ジェトロ香港事務所の高島大浩(たかしま・ともひろ)所長は、「日系企業の業績は回復軌道にあるものの、依然として予断を許さない状況が続いている」と指摘した。

■「本社が香港を悲観」は35%

調査では、本社による香港の評価について新たに尋ねた。「本社は香港の実情を悲観的に認識している」が35.8%で最も多かった。「どちらともいえない」が33.5%で続き、「本社は香港の実情を正確に把握している」が20.5%、「本社は香港の実情を楽観的に認識している」が10.2%となった。

本社が香港の実情を悲観的に認識している要因(複数回答)としては、「日本国内での報道が悲観的過ぎるから」が62.4%で最多。「過去のデモ・抗議活動に関連したイメージが残っているから」が56.9%で続き、「日本と香港の往来が制限されているから」と「米中対立の影響が見通せないから」がそれぞれ29.4%だった。

悲観的な認識による影響(複数回答)では、「拠点縮小の検討を指示されたり、促されたりしている」が58.9%。「新規のプロジェクトの見合わせや見直しを指示されている」は26.0%、「拠点撤退の検討を指示されたり、促されたりしている」は13.7%だった。

■国安法への懸念薄らぐ

20年6月末に施行された香港国家安全維持法(国安法)に関して尋ねたところ、「大いに懸念している」(9.4%)または「懸念している」(45.0%)の合計は54.4%で、前回調査から12.4ポイント、前々回調査(7月)からは27.0ポイントそれぞれ縮小した。

一方、「あまり懸念していない」は33.1%、「全く懸念していない」は4.0%と、それぞれ前期から14.1ポイント、0.9ポイント拡大した。「現時点では分からない」は8.6%だった。

国安法制定の影響については、「生じていない」が65.0%と前期に続いて最多。「現時点では分からない」は24.5%、「マイナスの影響が生じている」は9.0%、「プラスの影響が生じている」は1.4%だった。

香港拠点の今後の活用方針に対しては、全体の47.1%が「これまでと変わらない」と回答し、前期(47.4%)からほぼ横ばい。「今後検討する可能性あり」(13.1%)、「規模縮小」(13.9%)、「統括拠点としての機能の見直し」(3.3%)、「香港からの撤退」(0.7%)の合計は31.0%となり、前期から3.1ポイント縮小した。


関連国・地域: 香港日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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