鹿島建設のオーストラリア子会社で中堅建設会社のアイコン・ディベロップメンツが、メルボルン郊外のクレモーンでオフィスタワーの開発を行うことが分かった。開発費は8,000万豪ドル(約63億円)に上る見通し。さらに融資事業としては、鹿島傘下のミニコンが建設中のコリンウッドのオフィスプロジェクトへの融資が決まり、オーストラリア市場でのポートフォリオ拡大に一気に乗り出した形だ。【NNA豪州編集部】
鹿島のオーストラリア法人の担当者はNNAの取材に対し「コロナ禍であっても、良い事業機会、投資機会があれば引き続き前向きに検討していく」とし、「現在は都心部よりは都市近郊に注目しており、そういった地域で良質な開発に取り組んでいきたい」と述べた。
クレモーンのプロジェクトは、アイコンと敷地の所有企業であるザガム・グループとのジョイントベンチャー(JV)によって実施される。完成後は、アイコン、鹿島、ザガムが各社の本社として入居する見込みだ。
一方アイコンが融資を行うコリンウッドのプロジェクトは、地場不動産企業ペレグリン・プロジェクトが開発中で、2022年1~3月に完成する見通し。メルボルンでコワーキングスペースを提供するクリエイティブ・キューブがアンカーテナントとして入居する予定だ。
アイコンによると、今回の新たなプロジェクトは2件とも都心部周辺の郊外に位置しており、企業がオフィスを地方に分散させる傾向が続く中、中長期的に堅調な市場だという。
アイコンのバーク最高経営責任者(CEO)はオーストラリアン・ファイナンシャル・レビューの取材に対し、「同2件のプロジェクトは、開発企業だけでなく資金パートナーとしてサービスを提供できるという、アイコンの特別な能力を示すものだ」と説明した。
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