新型コロナウイルス感染症の病院内感染が桃園市で発生したとされることを受け、同市に拠点を置くハイテク各社が感染対策を強化している。桃園市政府による防疫措置の厳格化に呼応した動き。13日付経済日報が伝えた。
ノートパソコンを中心に手掛ける台湾EMS(電子機器の受託製造サービス)大手の広達電脳(クアンタ・コンピューター)は桃園市亀山区に本部を置く。同社は先月に従業員の感染が確認されて以降実施していた感染対策を12日に終了する予定だったが、感染者発生を受け、従業員の検温とマスク着用の義務化、社員食堂や会議室など共用施設の閉鎖、外部訪問者の受け入れ停止などを継続する。
台湾プリント基板(PCB)各社では、華通電脳(コンペック・マニュファクチャリング)や欣興電子(ユニマイクロン)、健鼎科技(トライポッド・テクノロジー)も従業員の検温やマスク着用の義務化、外部訪問者の受け入れ停止などを実施。敬鵬工業(チンプーン・インダストリアル)、瀚宇博徳(ハンスターボード)は従業員の不要不急の海外渡航を禁止するほか、中国から台湾に戻る従業員の隔離中の体調管理を強化する。
■複数県市が尾牙中止
台湾衛生福利部(衛生省)の中央流行疫情指揮中心は12日、新型コロナウイルス感染症の域内感染者を新たに2人確認したと発表。新型コロナウイルス感染者を収容する台湾北部の病院に勤務する医師、看護師と明らかにした。公式には明言していないが、台湾メディアは桃園の病院と伝えた。医師は感染が分かる前に桃園の商業施設などを訪れている。
桃園市政府は12日、防疫措置を強化すると発表し、市政府機関と市内学校の「尾牙(旧暦の忘年会)」を一律で禁止したほか、大型イベントの中止・延期を決めた。
基隆市と新竹県・市も政府機関の尾牙の中止を決定。新竹県は室外500人以上、室内100人以上のイベント開催を取りやめた。
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