【20年の10大ニュース】新型コロナで景気後退入り
2020年はシンガポール経済が大幅に悪化した。政府が新型コロナウイルスの感染対策を徹底したほか、国内外の渡航制限などが影響。4~6月期には2四半期連続で前期からマイナス成長となるテクニカル・リセッション(技術的な景気後退)入りした。
景気後退に伴い雇用情勢も悪化。企業の業績低迷は、航空・観光・小売・飲食業で顕著で、減給や人員削減が相次いだ。政府は国民の雇用を維持するため、外国人の就労ビザの取得要件を厳格化した。
新型コロナの感染拡大が収まらない中、リー・シェンロン首相は7月に5年ぶりとなる総選挙に踏み切った。感染対策に万全を期したという自負はあったが、野党に過去最大の議席数を許す結果となった。
在宅勤務が定着する流れもあった。非接触対応や新規顧客開拓の手段として、小売店や飲食店を中心にデジタル化が加速した。
20年通年の経済成長率は、01年以来19年ぶりのマイナス成長にとどまる見通しだ。来年はプラスに戻ることが見込まれているが、引き続き厳しい経済情勢が続きそうだ。