ミャンマーで8日に実施された総選挙で、ソーシャルディスタンス(社会的距離)など政府の定める新型コロナウイルス対策が順守されなかった投票所が複数あったもようだ。ミャンマー・タイムズ(電子版)が伝えたところでは、最大都市を擁するヤンゴン管区では南オッカラパやラインといった郡区で、投票待ちの列などで「密」が発生した。
ミャンマーには8月後半から新型コロナの第2波が到来。新規感染が全国的に急増している。特にヤンゴンでは、今月に入ってからも500~1,000人の感染が連日見つかる状況で、医療機関では病床不足が深刻化。国軍系政党の連邦団結発展党(USDP)など野党は、感染の危険性が高まるとして、選挙投票の延期を求めていた。
南オッカラパの投票所では8日、早朝から長蛇の列ができ、ソーシャルディスタンスの確保が難しい状況が続いたという。投票に訪れたある市民は、「(投票所の)担当者らはソーシャルディスタンスを維持するよう投票者に求めていたが、6フィート(約1.8メートル)の間隔確保は不可能だった」と語った。
バハンやライン、マウビ、ドーボンの各郡区も同様の状況だったもよう。投票者が予想を上回る数だったためだ。
ミャンマーでの新型コロナの感染見通しについて、ミン・トゥエ保健・スポーツ相はこのほど、効果的なワクチンが大量に供給されない限り、感染者がさらに増えるとの見方を示した。また、国民が予防策を順守すれば、感染規模は小さくなると指摘。感染の規模や速度に応じた対策をタイミングよく講じていくと語った。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。