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【NNA景気指数】タイ 2020年第4四半期予測

※グラフは20年11月16日時点のタイ政府による経済統計を反映したデータです。下記文章は20年9月時点での速報値に基づいたデータにより作成されており、確報値である本グラフとは数値に違いが生じております。             
NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

※グラフは20年11月16日時点のタイ政府による経済統計を反映したデータです。下記文章は20年9月時点での速報値に基づいたデータにより作成されており、確報値である本グラフとは数値に違いが生じております。              NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

■経済指標回復も政情懸念

・景気状況は5月底に回復

・車生産はコロナ前の水準に

・観光業回復には時間

・反政府デモで混乱も

<経済アナリストの目>

タイでは9月3日、約100日ぶりに新型コロナウイルスの国内感染者が確認された。ただ、感染はコントロールされており、大規模な「第2波」到来という状況にはない。

民政移管後にプラユット政権が発足して1年を迎えた7月16日、軍政時代から経済政策を担当してきたソムキット副首相をはじめ経済閣僚4人が辞任した。内閣改造による新閣僚名簿は8月6日付で官報に公示された。財務相にはプリティー元カシコン銀行頭取が任命されたが、同氏は任期1カ月足らずで辞任。10月6日に元運輸相のアーコム氏が財務相に任命された。

タイの景気の状況を指標化するNNA CIは、5月の100.5を底に8月の112.1まで3カ月連続で改善した。NNA CIによると、タイ経済は5月に底を打った後、7~8月は回復基調が続いた。経済閣僚4人の辞任など政治的な動きもあって7月の記事センチメントの指標は小幅のマイナスとなったが、それ以外の構成指標はすべて改善傾向を示しており、タイにおけるコロナショックからの経済回復は鮮明である。

景気の先行きを表すNNA DIは7~8月の平均で73.3。指標の基準に照らすと「景気はやや良い」となるが、輸入数量や実質預金残高というDIを構成する指標の立ち上がりが7月は遅れたため、DIの水準が80を超えなかった。

総じてDIを構成する経済指標は改善傾向を示しており、反政府デモが拡大して経済活動に広範に支障を来すような事態に至らない限り、タイ経済は第4四半期(10~12月)に回復継続が可能とみている。

第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比マイナス12.2%で、アジア通貨危機後の1998年第2四半期のマイナス12.5%に次ぐ、大幅なマイナス成長を記録した。20年の経済成長見通しは、国家経済社会開発委員会(NESDC)がマイナス7.8~マイナス7.3%、タイ中央銀行(BOT)がマイナス7.8%、財務省がマイナス8.5%、カシコン銀行がマイナス10%と、いずれも大幅のマイナス成長になると予測している。

日本格付研究所 チーフアナリスト 増田 篤

<タイ編集部の目>

タイ中央銀行が9月下旬に発表した、最新の2020年通年のGDP成長率予測はマイナス7.8%で、6月時点のマイナス8.1%からわずかながら上昇修正された。7月に新型コロナウイルス感染症の第1波が収束した後は、市中感染はほぼ起きておらず、民間消費と民間投資が上向くとの見通しを示した。

民間消費の回復は、タイの主要産業である自動車業界からもうかがえる。タイ工業連盟(FTI)によると、9月の自動車生産台数は前年同月比11.3%減の15万345台だった。15万台を超えたのは新型コロナが流行する前の2月以来。とりわけ、国内市場向けの生産台数は5.1%増(8万2,381台)と、14カ月ぶりにプラスとなった。輸出用の生産台数は25.4%減とコロナの影響が残るが、内需は上向き始めている。

二輪車の新規登録台数を見ても、9月は前年同月比1.2%減(13万3,590台)とほぼ前年並みとなった。特筆すべきは東北部(6.9%増)や北部(15.0%増)といった地方で回復している点だ。

輸出も前年割れが続くものの、8月は5カ月ぶりに200億米ドル(約2兆1,000億円)を超えて、持ち直し基調が鮮明となっている。世界的には新型コロナの流行は続いており、自動車の輸出こそ低調だが、外出制限や在宅ワークの増加で、家電製品の輸出が伸びている。

だが、タイ中銀は経済が新型コロナ流行前の水準に戻るには2年かかるとの見解を示しており、長期的には緩やかな回復になるとみられている。最大の要因は、外国人旅行者の本格的な受け入れ再開のめどが立っていないことだ。10月20日から最長270日間滞在できるロングステイの旅行者が人数限定で入国し始めたが、プラス効果はそれほど大きくないとみられている。

観光業が短期間で回復する見込みがない以上、外国人旅行者をターゲットにしていた業界では戦略変更に打って出ている。バンコク中心部の商業施設「MBKセンター」が36年ぶりとなる大型改装を実施する計画で、民間投資も動きだしている。

懸案事項があるとすれば、新型コロナの第2波の到来や8月以降に規模が拡大している反政府デモの動向だろう。新型コロナは隣国ミャンマーで感染拡大が続いており、タイの国境地帯でも感染者が確認され始めている。一方の反政府デモは、若者が中心となって平和的に行われているが、政府や軍が強制排除に乗り出して流血の事態となった場合は、コロナからの復興ムードがしぼむだけでなく、新たな混乱を招く可能性が高い。

NNAタイ編集長 京正裕之

<本資料について>

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関連国・地域: タイ
関連業種: 自動車・二輪車電機食品・飲料マクロ・統計・その他経済

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