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カンタスがシドニー本社を移転か、3州が秋波

オーストラリアのカンタス航空が15日、ニューサウスウェールズ(NSW)州シドニーからの本社移転を検討していることを明らかにした。コスト削減のため不動産資産を整理し、全国に散らばる複数の拠点を1カ所に集結させる計画という。今後3カ月間で入札を行うとみられ、NSW州、ビクトリア(VIC)州、クイーンズランド(QLD)州の間で、約7,000件の雇用を巡りし烈な争いが繰り広げられそうだ。16日付地元各紙が伝えた。

カンタスは、シドニーの本社に5,000人、傘下の格安航空会社(LCC)ジェットスターのメルボルンの本社に1,000人、ブリスベンの重整備施設に750人の雇用を抱えている。

同3拠点のほかに、シドニーとブリスベンにあるトレーニング施設やエンジニアリング施設も移転対象となっているようだ。

同社のハドソン最高財務責任者(CFO)は、全ての選択肢を検討するとした上で、2026年に開港予定の西シドニー空港の周辺都市についても言及し、移転先として考慮しているとした。

■東部3州が雇用死守

カンタスの従業員約1万人が勤務しているNSW州のベレジクリアン首相は「できるだけ多くの雇用をNSW州にもたらしたい」とし、現在の雇用を死守する姿勢だ。

VIC州のアンドリュース首相は、同州に質の高い雇用を創出すると期待感を示した。同州のアバロン空港では巨大な敷地が利用可能となっているほか、メルボルン空港は24時間営業の空港としては国内最大だとしてアピールしている。

QLD州のディック財務相も、現在の雇用は守ると発言。カンタスはQLD州中央部で創業したことから、同州名のQがカンタスの社名(Qantas)に含まれているとし、歴史的な繋がりを主張している。

■移転には批判も

一方、不動産投資レゾルーション・キャピタルのパーソンズ最高投資責任者は、カンタスなど多くのテナントは、新型コロナウイルスの流行に乗じて不公平により良いリース契約に乗り換えようとしていると批判した。

連邦政府のバーミンガム貿易相は「カンタスによる3州の入札合戦は、明らかに税金の無駄遣いに繋がる。今回の移転は新規雇用を創出するのではなく、単なる人員の移動だ」と警告した。


関連国・地域: オーストラリア
関連業種: 建設・不動産運輸雇用・労務

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