• 印刷する

【NNA景気指数】タイ 2020年第3四半期予測

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。
NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。
両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。
NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

NNA景気指数=NNA景気状況指数(NNA CI)とNNA景気動向指数(NNA DI)により構成される。 NNA CIは景気の量感(景気の山、谷等)を表し、NNA DIは景気の方向性を示す。 両指標ともNNAのタイ経済に関する記事をセンチメント分析するとともに、マクロ指標と組み合わせて算出している。 NNA DIでは最新月を含めた過去3カ月におけるDIの平均値により、以降3カ月の景気の状態について判断している。判断基準は下記の表によっている。

■制限緩和で景気回復期待

・コロナの第1波収束か

・観光関連は打撃大きく

・自動車展の販売指標に

・内閣改造の影響に注目

<経済アナリストの目>

タイの景気状況を表す5月のNNA CIは1月より連続して下落を続け、93.7となった。1月からの落ち込み幅は25.5ポイントに達しており、急激かつ大幅な景気の落ち込みが起きていることが分かる。

景気の先行きを示す指標であるNNA DIは、4~5月の2カ月の平均で8.4%となった。国内の定期預金残高が増加している以外は、全ての参照指標が悪化しており、第3四半期(7~9月)に関する予測は「大雨」で、景気は大幅に悪化するとの見通しになっている。

ただ、タイ政府が経済緩和策を実施しており、5月以降の経済指標が改善に転じる可能性もあるため、平均ベースのDI指標については解釈に注意を要する。

産業にはさまざまな影響が出ており、観光が事実上ストップして特に航空業界には深刻な影響が出ている。タイとシンガポール合弁の格安航空会社(LCC)ノックスクートは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業不振のため6月23日に取締役会において会社清算を決議した。

タイ国際航空は、財務省保有の株式の一部を政府ファンドに売却して政府の株式所有を過半数以下に引き下げ、民間企業として中央破産裁判所において会社更生手続きの対象となることが決まった。従業員2万人のうち6,000人ほどが人員整理の対象となると報じられている。

6月22日、タイ中央銀行は主要金融機関と、新型コロナ関連の金融支援策第2弾に合意した。それによれば、金融機関は貸出金利の引き下げや返済猶予などに応じるほか、配当停止や自社株買い停止により手元流動性の確保を行うこととされている。

世界銀行は5月に2020年通年のタイの国内総生産(GDP)成長率見通しを、マイナス5%に改定している。

日本格付研究所 チーフアナリスト 増田 篤

<タイ編集部の目>

タイでは3月下旬に政府が発令した非常事態宣言で制限された経済活動は、5月以降段階的に緩和され、7月1日にほぼ全面的に正常化された。7月14日時点で市中感染は50日連続ゼロとなり、タイ保健省も流行の第1波が収束したとの見解を示している。

しかし、タイ政府は警戒を緩めておらず、依然として外国人の入国は労働許可証の保有者らに限定し、旅行者の入国は認めていない。タイ経済を支えてきた観光業の回復が見通せない中、政府は国内旅行を促進するため、6月末に総額224億バーツ(約760億円)の振興策を閣議決定した。旅費の一部を補助する政策で、4月に延期したタイ正月(ソンクラーン)の祝日の振替日を7月末に設定するなど、国内消費の刺激を図る方針だ。

足元の消費動向に関しては、タイ商工会議所大学(UTCC)が発表した、6月の消費者信頼感指数は2カ月連続で上昇。自動車や住宅の「買い時指数」も同じく2カ月連続で改善しており、上昇率に力強さを欠くものの、消費者信頼感は4月に底を打ったもようだ。

7月15日には新型コロナ禍の中で世界初となる大規模な自動車展示会「第41回バンコク国際モーターショー」が開幕。ある外資系コンサルティング会社の担当者は「タイのモーターショーでの新車販売は、ほかの国にとっても指標になる」と話し、今後の自動車の販売や生産の行方を占う上でも注目されている。

一方、タイ中央銀行は6月下旬にタイ経済の最新の見通しを発表し、今年のGDP成長率を3月時点のマイナス5.3%から2.8ポイント引き下げて、マイナス8.1%とした。また外国人旅行者の見通しを1,500万人から800万人に、財・サービス輸出の伸び率をマイナス16.4%からマイナス22.7%にそれぞれ下方修正した。

輸出に関しては、自動車を中心とした工業製品が大幅に縮小しており、タイ商務省は6月下旬の記者会見で「世界的に需要と供給の双方が収縮しており、供給だけが落ち込んだ2011年のタイ大洪水の時と比べても事態は深刻だ」と述べ、回復に時間がかかるとの見通しを示している。

第3四半期は政治の動向もポイントとなりそうだ。プラユット首相は7月に入り、内閣改造を行う必要があるとの考えを示した。同首相を支える連立与党の中核政党で内紛が起き、6月下旬に新執行部が誕生したためで、7月16日には長年経済政策を指揮してきたソムキット副首相ら経済閣僚4人が辞任した。内閣改造を実行した後に、コロナ後のタイ経済の立て直しをどのように図っていくのか、政策面を注視する必要があるだろう。

NNAタイ編集長 京正裕之

<本資料について>

本資料は、株式会社NNA(以下、弊社)が皆さまに情報提供を行う目的で作成したものです。本資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した弊社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また本資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

本資料の著作権は弊社に属し、第三者への無断開示および転用は固く禁じます。


関連国・地域: タイ
関連業種: 自動車・二輪車電機食品・飲料マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

タイが入国規制、ミャンマーの貨物トラック(09/18)

帰国者1人が死亡、死者は6月以来(18日)(09/18)

【ウィズコロナ】HIS、学研教室運営に参入 独自ネットワーク活用し相乗効果(09/18)

配車ゴジェック、資金調達へブランド統一(09/18)

8月の自動車生産、30%減の11.7万台(09/18)

8月の自動車輸出、30%減の5.7万台(09/18)

発電3公団、EV充電スタンドの増設加速(09/18)

8月失業率1.9%、若者・東北部・農業深刻(09/18)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン