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コロナ禍からの経済回復、業種に差=報告書

会計大手デロイト傘下のシンクタンク、デロイト・アクセス・エコノミクス(DAE)が、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けたオーストラリアの各業界の現状と見通しをまとめた報告書を発表した。封鎖措置や国境閉鎖によって観光やサービス業が大打撃を受けた一方で、鉱業は大きな影響を免れるなど、今後の回復においても業種に差が出るとみられている。7日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。

DAEは報告書の中で、外国での人口増加に加え、海外からの旅行者と留学生が国内の多くの業種を支えてきたとし、「これが停滞したことで、多くの企業がビジネスモデルの見直しを迫られている」と指摘。「移民なくして勢いなし」とし、観光や教育分野だけでなく、住宅建設や公共事業に至るまで、すべてに影響を及ぼしているとの見方を示した。

■回復は業種間で差

業種別の現状と見通しでは、観光業界は新型コロナを起因とする経済低迷の「爆心地」と表現され、夏季の山火事と州境・国境閉鎖、封鎖措置で宿泊業界や旅行代理店、外食産業が崩壊したとの見方が示された。現在、国内旅行の再開に期待が寄せられているが、海外からの旅行者の受け入れは少なくとも来年半ば以降になると予想している。

一方、小売り業は5月に売り上げ増を記録して回復の兆しが見られたが、政府の給与補助制度「ジョブキーパー」や銀行の返済猶予期間が終了する9月末以降に売上高が急落するとの懸念が広がっている。

食品・食料雑貨部門は引き続き好調だが、家計所得の落ち込みや失業増の影響で小売り業界が完全に回復するには長期を要する見通しだ。

建設業界の見通しも厳しく、今年後半に住宅建設が急激に減少し、既存のプロジェクトが完了した後は「死の渓谷」に直面すると指摘された。シドニーやメルボルンなどでの鉄道・道路といった公共インフラ投資が頼みの綱という。

一般的に景気低迷時に強いとされるヘルスケア業界は、雇用や経済活動の面で一時的にシェアを高めるとみられるが、歯科や理学療法士、私立病院、外科医、医療機器メーカーなどは新型コロナの影響で売り上げが急落している。

建築士や会計士、弁護士、コンサルタント、エンジニア、エコノミスト、獣医などの専門サービス業界も、昨年末から今年半ばまでに約10%縮小すると予想され、特にコンサルタントやアドバイザリー業界は大きな打撃を受けているようだ。

■鉱業は影響切り抜け

一方、鉱業は、中国がオーストラリア産の鉄鉱石や石炭の輸入を続けたことから、新型コロナの影響をうまく切り抜けている。懸念材料としては、中国との関係悪化による業界への影響が挙げられたが、DAEは「さほどの心配はない」としている。

教育分野に関しては、今学期に留学生の数が約15%減少し、本年度中に36%減が予想されるものの、学生全体に占める留学生の割合は約10%で、すでに学費を納めている学生が多いことから売上高への影響が見られるのはまだ先になる見込み。今後の見通しは、国境再開の状況次第になるという。


関連国・地域: オーストラリア
関連業種: 医療・医薬品建設・不動産天然資源小売り・卸売り観光マクロ・統計・その他経済社会・事件

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