冷凍洋菓子の製造を手掛ける五洋食品産業(福岡県糸島市)は6日、タイで「シーファーベーカリー」ブランドのパンや菓子類を製造・販売するシーファーグループ傘下のシーファー・フローズンフードと業務提携したと発表した。タイで冷凍ケーキを生産し、現地のコンビニなどで販売する。
五洋食品産業の冷凍ケーキが海外で生産されるのは初めて。海外マーケティングを担当する藤永晋也取締役は「日本のケーキはサイズが小さい割に輸出コストがかかり、販売価格が高くなっていたため、現地生産に切り替える」と話した。
シーファーが拠点を置くタイ西部カンチャナブリ県の工場内に専用生産ラインを設け、日本のレシピを現地の食材を使って再現する。まずはベイクドチーズケーキを製造し、今月からシーファーの卸先である現地のコンビニやコーヒーチェーン、ホテルなどへの販売を開始する。販売価格は1個40バーツ(約140円)程度。
五洋食品産業はシーファーに対し、製品の仕様書やレシピを開示するほか、現地生産のノウハウを提供して対価を受け取る。藤永氏は「タイで確立した技術供与のビジネスモデルを中国など他のアジア地域にも広げていきたい」と語った。
同社は2014年に同じシーファーグループ傘下のシーファーベーカリーと提携。日本国内で作った冷凍ケーキをタイに輸出し、販売してきた。
五洋食品産業は現在、香港と米国に製品を輸出しており、それぞれ年間約3,500万円を売り上げているが、海外売上高比率は約3%にとどまる。「アジア地域への輸出を拡大し、向こう2年間で同比率を10%に引き上げる」(藤永氏)目標だ。
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