ビジネス環境が世界で最も複雑なのはインドネシアだ――。オランダの会計・総務アウトソーシング大手TMFグループが17日発表した2020年版「世界ビジネス複雑性ランキング」で、このような結果が明らかになった。東南アジアで最もビジネスがしやすいのはシンガポールだった。
TMFは世界77カ国・地域を対象に、「規制・法律・罰金」「会計・税務」「雇用・解雇・給与」の3項目を基に順位付けした。順位が高いほどビジネス環境が未整備であることを示す。
インドネシアは世界ランキングで1位となり、最もビジネス環境が未整備な国と評価された。
TMFシンガポール法人のエドムンド・リー・マネジングディレクターは16日、メディア向けの説明会で、インドネシアが低評価である理由について、「同国の労働法は、労働者にとって非常に有利。加えてビジネスに関する3万件以上の法規制が互いに重複しているため」と説明した。
アジア地域で2番目に評価が低かったのは中国。省レベルの自治体から国の政府まで、複数の行政組織が層になっていることなどが複雑性を高めているという。
同域内で最も評価が高かったのは香港だった。シンガポールは東南アジアで首位。政府がさまざまな面で電子化を進めていることが評価された。
リー氏は「シンガポール人の多くは、英語と中国語の両方を流ちょうに話す。規制や会計、雇用以外の側面においてもビジネス環境は良好だ」と述べた。
日本は中位だったが、日本語でしか各種手続きができないこと、印鑑文化が評価を押し下げた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。